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2019 年度 実施状況報告書

抗酸化作用を付与した人工酸素運搬体による脳梗塞治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K09472
研究機関北海道大学

研究代表者

鐙谷 武雄  北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80270726)

研究分担者 小松 晃之  中央大学, 理工学部, 教授 (30298187)
中山 若樹  北海道大学, 医学研究院, 講師 (40421961)
川堀 真人  北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (50399870)
数又 研  北海道大学, 大学病院, 講師 (60634144)
寳金 清博  北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (90229146)
長内 俊也  北海道大学, 医学研究院, 助教 (90622788)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード人工酸素運搬体 / 虚血再灌流傷害 / 脳梗塞 / 抗酸化物質 / 脳保護作用
研究実績の概要

今回の研究では、中央大学で開発されたヘモグロビン(Hb) に複数のアルブミン(Alb) を結合させた形の人工酸素運搬体HemoActに、さらに抗酸化機能を付与するために、白金ナノ粒子(PtNP)、カタラーゼといった抗酸化物質をHemoActに結合あるいは共存させた2製剤を作製して、これらが脳虚血再灌流モデルにおいて脳保護効果検討することを目的としている。HemoAct中のHbは時間経過とともに自動酸化を生じてしまい、酸素運搬能が低下してしまうことが知られている。今回、HemoActに抗酸化能を付与することは酸素運搬能を維持させることが第一の目的であるが、さらにこの抗酸化能が虚血再灌流下の脳組織内で発生する活性酸素を除去する効果も期待している。今年度は作製する2製剤のうち、HemoActにPtNPを結合させたHemoAct-PtNPについて検討する予定で実験を開始した。
HemoAct-PtNPを調製するにあたり、当初Hb:PtNP = 1:1で結合したものを作ることを考えていたが、PtNPの水への溶解性が低いため、HemoActをかなり希釈してからPtNPと混合し、再度濃縮しなければならないことが判明した。従って調製法を再考する必要が発生し、結合比をHb:PtNP = 1:0.2くらいから調製することとなり、HemoAct-PtNP作製に時間を要した。現在のところパイロット実験用の試薬が届いたばかりの状態で、これから虚血再灌流モデルラットに投与して、その効果を検証する段階である。
この製剤調製に要した期間を利用して、新たに当教室の大学院生に虚血再灌流モデルラットの作製練習を行ってもらっており、安定した虚血再灌流モデルが作成できる段階に達してきている。これにより、オペレーターを複数用意できる状況になったため、やや遅れてしまった実験の進行を加速化できるものと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要のところで記載したようにHemoAct-PtNP作製に時間を要し、これから予備実験を開始する段階にあるため、まだ効果については評価できていない状況である。

今後の研究の推進方策

パイロット実験用の試薬は届いていることより、これを虚血再灌流モデルラット(2時間虚血24時間再灌流)に投与して、コントロール群とHemoAct-PtNP投与群と比較してその脳保護効果について検討する予定である。さらに、過去に同じ条件の虚血再灌流モデルで行った非修飾型のHemoAct投与実験での脳保護効果と比較してオリジナルのHemoActよりHemoAct-PtNPの方がより強い脳保護効果があるか検討してみる。このパイロット実験でHemoAct-PtNPの脳保護効果が明瞭になれば、本実験に移行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究実績の概要のところで記載したようにHemoAct-PtNP作製に時間を要し、これから予備実験を開始する段階にあるため、今年度において、まだ物品をほとんど購入していないため、次年度に使用額が生じた次第である。次年度は実験動物、試薬などを購入するために使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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