研究課題
我々はこれまでRing finger protein 213 (RNF213)という遺伝子のvariant p.Arg4810Lys (c.14429G>A rs112735431) が、脳梗塞の主たる原因である脳血管狭窄の発症に非常に強い関連をもつことを明らかにし、RNF213に関する様々な疫学的・機能的解析に関して研究成果を発表してきた。本研究において、RNF213変異(p.Arg4810Lys)に加えて脳血管狭窄、ひいては脳梗塞の発症に関わる修飾因子となる遺伝子・分子の同定を目指した。RNF213のexon全体のtarget sequneceを行い、脳血管狭窄発症に関わるp.Arg4810Lys以外のrareなvariantを同定し論文を発表をした。さらに全ゲノム領域のSNP typingおよび引き続く全ゲノム領域関連解析(GWAS)を実施し、 p.Arg4810Lys以外の疾患関連variantの検索を行ない、研究成果を論文投稿中である。またRNF213 p.Arg4810Lysを有する症例100例程度のwhole exome sequenceを実施し、約1000例の健常人のデータと比較することで、脳血管狭窄発症に関わる修飾因子の同定を目指した解析をおこなっている。今後、上記の遺伝子解析・関連解析を通じて新たなに同定したvariantに関して機能解析を行っていく方針である。
2: おおむね順調に進展している
予定している解析は順調に進んでいる。
研究成果に関しては、論文発表を行っていく。また関連解析等を等通じて同定した新たなvariantに関して、臨床的な解析を行ったり、機能解析を行っていく予定である。
次年度に大規模な遺伝子解析を予定しているため
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
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