研究課題
基盤研究(C)
我々は予後不良である脳腫瘍の膠芽腫における術中抗体療法(近赤外線光線免疫療法)を確立した。まず、9割以上の膠芽腫の細胞表面にポドプラニンが発現していることを確認した。次に、ポドプラニン陽性/陰性の膠芽腫培養細胞株を用いて、フローサイトメトリーにて、ポドプラニン陽性細胞株では抗原抗体反応が起きる事を確認した。さらにポドプラニンとIR700複合体を作成する事でin vitroおよびin vivoで近赤外線光線免疫療法に成功した。今後、臨床応用を目指す。
脳神経外科
近赤外線光線免疫療法はEGFR増幅頭頸部癌やHER2陽性乳癌で臨床応用されつつあるが、膠芽腫への臨床応用は未だされていない。今回、我々の研究により膠芽腫に特異的な表面マーカーで正常脳には殆ど発現していないポドプラニンを同定し、それを標的とした近赤外線光線免疫療法に成功した。膠芽腫は極めて予後不良な脳腫瘍であり、その新規治療法の確立は急務である。臨床応用まで実現すれば、膠芽腫の予後が飛躍的に向上する可能性が有り、社会的意義は高い。