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2019 年度 実施状況報告書

転写因子EVI1によるマルチキナーゼ発現制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09486
研究機関宮崎大学

研究代表者

水口 麻子  宮崎大学, 安全衛生保健センター, 講師 (00647472)

研究分担者 横上 聖貴  宮崎大学, 医学部, 准教授 (40284856)
山下 真治  宮崎大学, 医学部, 助教 (40468046)
渡邉 孝  宮崎大学, 医学部, 講師 (90573337)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードEVI1 / RTK / 転写制御
研究実績の概要

H31年度の研究において、グリオブラストーマ培養細胞を用いた解析により、転写因子EVI-1(ecotropic viral integration site-1)が受容体型チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase ;RTK)ファミリーの一つである上皮成長因子受容体遺伝子 (epidermal growth factor receptor ; EGFR)の転写制御を行っている事を解明した。
具体的には①Gene Expression Omnibus (GEO) から引用したデータを用いて、EVI-1とEGFRのmRNA発現量につき解析した。その結果、両者は正の相関関係を示した。②次に、グリオブラストーマ(n=37)の病理組織切片を抗EVI-1抗体で免疫組織染色した。その結果、抗EVI-1抗体陽性率33%以上の群(n=8)で、術後生存期間は短縮した。③続いて、グリオブラストーマ培養細胞を用いて、siRNAによるEVI-1ノックダウンを行った。その結果、EVI-1 mRNAの減少に伴い、EGFRのmRNAおよび蛋白質発現量は減少した。④また、ルシフェラーゼレポーターアッセイによるプロモーター領域の解析の結果、EVI1によるEGFRの転写制御では、その翻訳開始点よりも377bp~266bp上流部位における2か所のポリピリミジン配列が重要である事、EVI-1のC末端側DNA結合領域が重要である事が示された。⑤最後に、EVI-1をノックダウンすると、グリオブラストーマ培養細胞において細胞増殖速度は低下した。
EGFR 遺伝子の発現制御を行う転写因子は既に複数報告されているが、グリオーマ細胞においてEVI1がEGFR遺伝子の転写制御を行っているという報告は初である。我々は、これらの研究成果を、英語論文として報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

EVI1によるEGFR転写制御について、そのメカニズムの一端を解明し、論文報告した。しかしながら、本研究の目的は、EGFRだけでなく、PDGFRB、VEGFR等、他のRTKについても、EVI1による転写制御の可能性、制御メカニズムに関する解析を行う事であり、そちらに関しては、現在解析を継続している。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画より進捗は少し遅れているが、研究内容については計画通り進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Ecotropic Viral Integration Site 1 Regulates EGFR Transcription in Glioblastoma Cells2019

    • 著者名/発表者名
      Asako Mizuguchi, Shinji Yamashita, Kiyotaka Yokogami, Kazuhiro Morishita, Hideo Takeshima
    • 雑誌名

      Journal of Neuro-oncology

      巻: 145 ページ: 223-231

    • DOI

      10.1007/s11060-019-03310-z. Epub 2019 Oct 15.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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