研究実績の概要 |
申請者らはこれまで神経膠腫の発生に関わる遺伝子異常であるIDH変異に注目し, 遺伝子異常がもたらす代謝性変化を解明するとともに, この原理を応用した新たな治療法を提唱してきた (Tateishi K et al. Cancer Cell. 2015等). 本研究では申請者らが樹立した内因性IDH変異神経膠腫細胞株を用いてIDH 変異神経膠腫の悪性化を引き起こす機序の解明ととともに, 悪性化回避を目指した治療法の開発を行う. またDNA高変異による悪性化をきたした際には免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療法が臨床的に期待されているが, 神経膠腫においてはその有効性が否定されている. そこで世界に先駆けて樹立したDNA高変異状態を呈した内因性IDH 変異神経膠腫細胞株を用いることでDNA高変異状態下のIDH変異神経膠腫に対する独創的な治療法を基礎研究レベルで提唱し臨床応用につなげることを目指す.
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