本年度はまず昨年度残された炎症性反応の解明と予防策の対応策を検討した。そのため、In-vivoの実験にてC6グリオーマ細胞をラット脳内に移植後、摘出を行わず、CCL2阻害剤の直接注入をおこなった。14日後移植脳腫瘍の摘出を行った。まず炎症反応の解明を行い、VEGFの発現のみならず腫瘍微小環境について調べ、炎症性リンパ球の浸潤も強くIL2やIL6の発現も強い。そのためそのラット移植腫瘍の摘出を用い、抗VEBF剤の投与と抗PD-1抗体薬、抗PD-L1抗体薬、ステロイドの4者を比較した。その結果抗VEGF剤の0.6mM/mol投与が無難との結果がえられた。 その後実際の腫瘍モデル、手術モデル、治療モデルを作成した。さらに病理標本を作製し腫瘍細胞の駆逐状態と炎症反応の惹起と脳浮腫を確認した。この脳浮腫に対してはbevacizumabとramucirumabを比較検討したところramucirumabの方が良いため本薬剤を使用した。 治療モデル標本を簡易フローサイトメータにて細胞周期を確認したところ、G1レベルの増加のみならずG2 M期の増加も見られ、休止期にある幹細胞を駆逐活性化しているとを確認した。 そのため長期生存実験を行った。コントロール群が従来のCCL2阻害剤を使用しない群とほぼ同等の63日であった。しかし本試験群はコントロール群(59日)と比べ延長(67日)していたが、従前群と比べて有為差は無かった。
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