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2021 年度 実施状況報告書

膠芽腫の神経好性浸潤機構を高分子ナノファイバーを用い解明し制御する医工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09502
研究機関福井大学

研究代表者

北井 隆平  福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員准教授 (80251990)

研究分担者 藤田 聡  福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (60504652)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード脳腫瘍 / 浸潤 / 医工学研究
研究実績の概要

工学系の実験の成果として、脳腫瘍の移動に関し、新たなナノファイバーモデルを作成し、論文発表した。ナノファイバーは三次元的に加工可能であり、嚢胞を有する腫瘍における近時モデルを作成した。球状に加工し作成したモデル上に塗布し、細胞生着が見られることを確認した。球状のモデル上で3次元的に腫瘍細胞が移動することを顕微鏡で確認し、生体に近いモデルとして有用であることを発表した。このモデルは腫瘍のみならず、脳動脈瘤などの近時モデルとして使用可能であり、血管内皮細胞の付着での検討もできる有用なものである。
生化学系実験として、低酸素状況下における腫瘍細胞からの浸潤関連タンパクの研究を行った。低酸素チャンバーにて低酸素となる条件を設定した。0%2時間の低酸素負荷を行い、生細胞を得た。細胞よりタンパクおよびRNAを抽出した。細胞からHIF-1タンパクの誘導を確認した。その上で、浸潤に関連する各種酵素、特にRHOキナーゼ系統の発現を確認した。U87,U251の株細胞ならびに膠芽腫患者からプライマリーカルチャーを作成し、それぞれで酵素誘導を確認した。株細胞よりもプライマリーカルチャーでの発現がより多く見られた。細胞内シグナル伝達については今後の課題である。これらの低酸素刺激細胞の浸潤能についてナノファイバー上で浸潤速度をビデオで撮影し、計測した。株細胞の移動方向の異走性を数値で明らかにし、そのモデルと浸潤速度の結果を論文投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍にて外部からの研究者の大学内での実験に制限がある。また研究者自身も県のコロナ対策委員をかねており、実験が進んでいない実態がある。そのため、当初の研究予定を延長した。

今後の研究の推進方策

工学部での基礎実験がある程度完了しているので、医学生物学的な実験、特に生化学的な実験に本年度は注力する。特に細胞への低酸素刺激、低栄養刺激、サイトカイン刺激に関し、薬剤、刺激方法が確立されたので、ファイバーモデルを用い、浸潤能を数値化する。ナノファイバーの加工も引き続き、工学部の共同研究者と行う。その有用性の実証を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍にて研究計画の進捗に遅れが生じたため、次年度使用が生じた。次年度使用分については薬品の購入、および論文費用などの成果発表に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Nanofiber-Mache Hollow Ball Mimicking the Three-Dimensional Structure of a Cyst2021

    • 著者名/発表者名
      Wan-Ying Huang, Norichika Hashimoto , Ryuhei Kitai, Shin-Ichiro Suye, Satoshi Fujita
    • 雑誌名

      Polymers (Basel)

      巻: 13 ページ: 2273

    • DOI

      10.3390/polym13142273

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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