本研究課題の目的は脳血管障害における組織修復・機能回復の機序を明らかとすることである。基底膜を構成する細胞外マトリックス(ECM)蛋白perlecanに着目し、脳梗塞における組織修復過程を検討した。Perlecanは血液脳関門の維持に関わる他、梗塞巣周囲への脳血管ペリサイトの遊走に関与することを明らかとした。さらに脳梗塞後の組織修復過程ではペリサイトが起点となり、オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化による再髄鞘化やマクロファージによるミエリンデブリスの貪食が促進された。脳梗塞後の組織修復の促進には、neurovascular unit各細胞とECM蛋白の相互作用が重要であると考えられた。
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