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2020 年度 実施状況報告書

遊離脂肪酸受容体FFAR1は慢性疼痛に伴ううつ症状発症に関与するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K09512
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大吉 達樹  鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80315407)

研究分担者 栗原 崇  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60282745)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードFFAR1 / GPR40 / コカイン / 依存 / うつ病 / セロトニン / in vivoマイクロダイアリシス法 / 疼痛
研究実績の概要

昨年度の研究実施報告を行った際、「今後の研究の推進方策」の項で、新たなin vivo マイクロダイアリシスシステムの構築を行うことを計画していた。それまではモノアミンおよびその代謝産物 (計7種類) を30分間かけてHPLC分析するものであったが、ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリンのみをさらなる時間分解能 (それまでの30分間隔から15分間隔へ短縮) でHPLC分析することで、これら3種のモノアミンの遊離動態を分析することに成功し、現在、線条体および脊髄でのモノアミン遊離分析を行っている。例えば線条体におけるFFAR1作動薬 (GW9508) および拮抗薬 (GW1100) のセロトニン遊離に対する効果の再現 (FFAR1作動薬GW9508の局所投与はセロトニン遊離を促進し、逆にFFAR1拮抗薬GW1100の局所投与はセロトニン遊離を抑制する) に成功し、またドパミンに対してGW9508 (FFAR1作動薬) は遊離抑制的に、GW1100 (FFAR1拮抗薬) は逆に遊離促進的に作用する可能性が高いことを確認しつつある。一方、脊髄 (正常マウス) においては現状ドパミン遊離の検出が難しい (ドパミンの基礎遊離が非常に低い可能性) が、ノルアドレナリンとセロトニンの基礎遊離は十分検出できることを確認している。今後は、ノルアドレナリンおよびセロトニンの脊髄における基礎遊離に対するGW9508あるいはGW1100の局所投与の効果を検討することで、これまで我々が見出したFFAR1受容体の脊髄痛覚伝達に対する調節作用 (各種疼痛モデルマウスに対するFFAR1作動薬の脊髄くも膜下投与は鎮痛効果をもたらし、逆にFFAR1拮抗薬は疼痛行動を悪化させる) の更なる検討が可能となると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの懸案事項の1つであったin vivoマイクロダイアリシスシステムの時間分解能を向上させることに成功し、また脊髄におけるin vivoマイクロダイアリシスシステム構築にも成功したことで、脳・脊髄におけるモノアミン遊離分析を比較検討できることとなった。

今後の研究の推進方策

昨年度の「今後の研究の推進方策」にも記載したが、FFAR1とモルヒネなど他の依存性薬物に対する行動学的変化との関係についての検討を引き続き行う。さらに、本年度時間分解能を向上させたin vivo マイクロダイアリシスシステムは、ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの3種のモノアミンのみをHPLC分析するものであるが、FFAR1作動薬および拮抗薬の上位脳ドパミン遊離に対する効果をより詳細に検討するため、分析対象をドパミンとセロトニンの2種に絞ることで更なる時間分解能向上も行い、依存形成や情動機能に重要と考えられている他の脳領域 (前頭前野や扁桃体など) でも検討することを計画している。

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公開日: 2021-12-27  

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