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2019 年度 実施状況報告書

IL-4誘導のM2ミクログリアは、中枢神経の直接縫合法で神経再生を促進する

研究課題

研究課題/領域番号 19K09513
研究機関横浜市立大学

研究代表者

末永 潤  横浜市立大学, 医学部, 講師 (30610365)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード嗅神経再生 / 直接吻合 / ミクログリア / インターロイキン4
研究実績の概要

初年度は、当初はBioResearch Center社の嗅覚刺激装置を購入予定としていた(500,000円)。しかし、嗅覚切断実験、再生をするにあたりさらに知見を求めるうちに、嗅覚評価実験にも異なる評価法があることから、購入はとりあえずpendingとした。
古くは、嗅覚の切断、再生実験に関しては、ratなどの実験動物では40日程度で再生されるとの報告がある(Yamagishi et al, 耳鼻臨床 80: 9 1455-60, 1987)。今回の科研費研究では、開頭し切断後に、直接吻合による再建をみる実験を計画しており、正常との差を出すためにもシンプルに切断するだけ処置と、切断部の嗅神経を1mm程度削除しspaceを設ける処置を比較することとした。動物実験での嗅覚再生に比較し、実際のヒトでの外傷性や手術操作での嗅神経損傷は、嗅覚が戻らないことが知られている。これは鼻粘膜に分布する嗅細胞と、脳神経としての嗅神経のシナプス連絡が戻らないためとされる。そこで起こっている再生を妨げている要因は何か、を探ることが本研究の目的である。グリアの形成が再生因子を妨げるのか、神経自体の変性がミクログリアにより促進されているのかを明らかにしていく。
グループとしては、Wistar rat群と、LOTUS transgenic rat群の比較から開始を試みた。LOTUS transgenicは神経再生に関わるLOTUS分子を高発現させており、有意に再生が予想される。発現量をPCRで確認し、継代していたが、成熟をやや過ぎていたためもあり、その後繁殖が困難となっていた。なんどかmatingを試みたが、こどもは産まれず、次にWistar ratの若い雌との交配でできるかを確認中である。これが不可であればLOTUS群は諦めて先にすすめるか、あるいは受精卵から起こして再度系を立ち上げることを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初の予定より大幅に遅れている。一つはCOVIDの影響下で動物実験自体が自粛になったこと、もう一つはLOTUS transgenicの交配に手間取ったことである。
実験はCOVIDの影響もあり、進んでいないが、その間に、脳神経外科学会総会、WFITN(イタリアでの血管内治療国際学会)、ASEAN neurosurgical meeting(ベトナム)に参加、発表。研究段階も含め、知見を得た。学会参加、発表は予定どおりであるが、実際の研究を速やかにすすめていく。

今後の研究の推進方策

まずは嗅覚評価実験を当初のとおり、機械購入の上で行うのか、pelletを地面に埋めてそれだけで行うのか、最終決定していく。その上で、Wistar rat群だけでもcontrolを取り始め、嗅神経切断実験を開始する。

次年度使用額が生じた理由

初年度は、当初はBioResearch Center社の嗅覚刺激装置を購入予定としていた(500,000円)。しかし、嗅覚切断実験、再生をするにあたりさらに知見を求めるうちに、嗅覚評価実験にも異なる評価法があることから、購入はとりあえずpendingとしたためである。

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公開日: 2021-01-27  

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