研究課題/領域番号 |
19K09515
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
丸山 啓介 杏林大学, 医学部, 講師 (10345192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 外視鏡 / 拡張現実 / 手術ナビゲーション |
研究実績の概要 |
今日では精度の高い脳手術を行うためにナビゲーションシステムが普及しているが、拡張現実型ナビゲーションの応用は発展途上の段階にある。他方で、国内外の各社より外視鏡(exoscope)が開発され、従来の手術顕微鏡における接眼レンズを覗いての操作に代わり3次元モニターを 利用した手術操作が可能になった。これらを組み合わせ、脳内の構造物を外視鏡のモニター上に表示させることにより体内の構造があたかも「 透けて」見えるようにする拡張現実による新規手術ナビゲーションの開発を行う。これにより、迅速かつ正確に脳病変の部位を同定し手術の精度を向上させることを目的とする。 初年度には、画像処理を行うワークステーションtrans-visible navigator一式を購入した。この際、当初予定していた予算が削減された影響により年度内の納品はモーションキャプチャーカメラ部分にとどまり、残余分について年度内には調整が終了せず次年度に持ち越しとなった。外視鏡メーカーについても研究の計画段階で三鷹光器社と外視鏡Kestrel View IIを使用した研究開発の協力体制につき交渉を進めていた。諸般の事情により予想外に調整が難航したが、2020年度末にようやく購入に至った(商品名は最新式のHawkSightに変更)。これにナビゲーションのための光学マーカーを設置した。ファントムを用いた誤差測定に向けてソフト面、ハード面での調整を行っている。 その他、関連する書籍の購入や、関連する研究者との意見交換などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前述したように、画像処理を行うワークステーションtrans-visible navigator一式を購入する際、当初予定していた予算が削減された影響により納品はモーションキャプチャーカメラ部分にとどまり、残余分について2021年度までには調整が終了せず次年度に持ち越しとなった。外視鏡についても事前に三鷹光器社と協力体制につき交渉を進めていたが、購入が大幅に遅延する事態となった。ソフト面、ハード面での調整段階においても、想定外の障害の発生に見舞われ、現在対処法について検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
予算の削減分を補填するための他予算からの積極的な繰り入れを検討することにより、trans-visible navigatorの未納入部分についての早期の納入を推進する。外視鏡HawkSightについては、2020年度末にようやく購入に至った。ソフト面、ハード面での調整段階において発生した想定外の障害について早急に対処を行い、ファントムを用いて描出の誤差を測定し、早期に臨床応用へと推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
進捗が遅れる見通しが明らかであり、成果発表等も遅れることとなるため、次年度以降に使用可能な状況とした。 次年度以降には研究をさらに推進し、何らかの成果発表を予定している。
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