研究課題
3Dチタンプリンターは熱源により電子ビーム方式とレーザービーム方式に大別される。電子ビーム方式は造形前にチタン合金粉末を予熱するため、造形体の熱膨張・収縮を抑制し、残留ひずみを低減させることが可能である。また、真空中での造形を行うので酸化・窒化が起きにくく、造形速度が速い。レーザービーム方式は使用するチタン粉末が細かく、積層厚さも小さく設定が可能であり、精度が高い。この熱源の違いの他に、造形時にはチタン粉末の大きさ、積層厚の他に走査速度、ビーム電流値といった変更可能なパラメーター数多く存在するが、造形条件と造形物の特性との関係は検討されていなかった。R1年度には電子ビーム造形で各条件を設定して64チタン合金板(10 x 10 x 1mm)を造形、コントロールとして切削64チタン板を作成した。これらのサンプルの表面粗さを測定し、人工体液中に浸漬して結晶の析出を観察、・同定した。疑似体液は血漿無機成分を模擬したKokubo溶液、Hanks溶液をベースに溶液中無機イオン濃度を変化させた溶液を作成、チタン板を溶液中(恒温培養器37℃)で2週間浸漬した。洗浄後に走査電子顕微鏡(SEM)で表面の結晶析出を評価し、結晶の組成をX線回折装置(XRD)とエネルギー分散型X線分光法(EDX)で評価し、析出物がアパタイト(リン酸カルシウム)かどうかを確認した。プリントしたチタン板上には結晶の析出がみられ、リン酸カルシウムであることが確認された。一方、コントロールの切削チタン板では表面結晶の析出はみられなかった。
2: おおむね順調に進展している
3Dプリント条件として7項目のうち3項目を終了した。R2-3年度に残り4項目を行う予定である。
R2年度にはレーザービーム造形で各条件を設定して64チタン合金板(10 x 10 x 1mm)を造形、コントロールとして切削64チタン板を作成する。これらのサンプルの表面粗さを測定し、人工体液中に浸漬して結晶の析出を観察、・同定する。疑似体液は血漿無機成分を模擬したKokubo溶液、Hanks溶液をベースに溶液中無機イオン濃度を変化させた溶液を作成、チタン板を溶液中(恒温培養器37℃)で2週間浸漬する。洗浄後に走査SEMで表面の結晶析出を評価し、結晶の組成をXRD、EDXで評価し、析出物がリン酸カルシウムかどうかを確認する。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、注文していたiPadProの納品が翌年度に持ち越しになったため。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
Front Vet Sci
巻: 6 ページ: 6494
10.3389/fvets.2019.00494. eCollection 2019
PLos One
巻: 14 ページ: e0216445
10.1371/journal.pone.0216445. eCollection 2019
Vet Surg
巻: 48 ページ: 336-342
10.1111/vsu.13140. Epub 2018 Dec 20