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2020 年度 実施状況報告書

髄芽腫:3T-MRSでのglutamine, 2HG検出による遺伝子型・予後予測

研究課題

研究課題/領域番号 19K09522
研究機関新潟大学

研究代表者

岡本 浩一郎  新潟大学, 脳研究所, 特任教授 (60194396)

研究分担者 棗田 学  新潟大学, 脳研究所, 助教 (00515728)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード髄芽腫 / MR spectroscopy / 2-hydroxyglutarate (2HG)
研究実績の概要

研究計画では年2名程度の新患髄芽腫(MB)のMRSをLCModelで解析する想定であるが、昨年度新患4名に加え、本年度は3名のMB新患(6歳女、12歳男、35歳女)と、MBと鑑別が必要な小脳毛様性星細胞腫1名(8歳男)のMRS解析を行った. 昨年度の新患MB 4例中2例で脊髄播種が認められたが、本年度MB 3例では認められなかった。
MBの特徴的MRS所見として、N-acetylaspartate (NAA) の著明な低下、lactate (Lac) と lipid (Lip), macromolecule (MM)の増加、taurine (Tau) の出現が知られている(Panigrahy A, et al. AjNR 27:560-572,2006)。昨年の新患MB 4例の解析ではNAA の著明な低下、Lac, Lip+MM の増加、Tau検出が確認され、myo-inosytol (Ins)/Crの上昇が見られた。コントロールとの対比でglutamine (Gln)/creatine (Cr) 上昇、glutamate (Glu)/Cr上昇がMBの特徴的所見と考えられたが、これらの所見は本年度のMB 3例全例で認められた。2-hydroxyglutarate (2HG) は本年度のMB 3例全例でも僅かに検出された。
脳幹神経膠腫・小脳毛様性星細胞腫ではTauは検出されないが、NAAの低下、Lac, Lip+MM の増加、Ins/Cr 上昇、Glu/Cr上昇が認められ、2HG は検出されなかった。
以上より、MBのMRSの特徴としてTauの検出、Gln/Cr上昇と2HGの検出が示唆され、鑑別にも有用と考えられる. なお MRS 解析を行った新患MB患者7例の経過(最長2年)では再発例は認めていない。次年度以降も新患の髄芽腫を中心にMRS解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に想定した患者数以上の解析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

次年度以降も新患の髄芽腫例に加え、髄芽腫と鑑別の必要な小脳腫瘍などもMRS解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大で打ち合わせのための旅費、謝金などの支出がなかったため。
来年度は今年度分も含めて使用する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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