Nox4ノックアウト(KO)マウスでは慢性脳低灌流により、脳梁の高度脱髄、血管新生抑制、オリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)増加抑制、アストロサイト・ミクログリア浸潤抑制、空間認知力低下を認めた。そのためNox4がアストロサイトやミクログリア浸潤を促進させて栄養因子を放出させることでOPC分化・増殖を促し、脱髄を抑制させる可能性が示唆された。ただしcuprizoneによる薬剤誘発性脳脱髄モデルでの検討では、Nox4-KOマウスでは脱髄後の再髄鞘化が促進される結果を認めた。 Nox4による脱髄への影響は2つの脱髄モデルで相反する結果であったがその機序は未だ不明であり今後の検討課題と考えている。
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