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2021 年度 実施状況報告書

次世代プロテオミクスによる神経膠芽腫浸潤・増殖関連タンパクとバイオマーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K09541
研究機関独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター)

研究代表者

中溝 玲  独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 共同研究員 (80529800)

研究分担者 天野 敏之  独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳神経外科医長 (70448413)
松尾 諭  独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 脳神経外科 客員臨床研究員 (80734938)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード膠芽腫 / セリン / ピリミジン
研究実績の概要

膠芽腫患者5例に対して開頭腫瘍摘出術を行い、病理学的に膠芽腫であることを確認した。術中のsamplingではneuronavigationを用いて増強される腫瘍かつ5-ALAで発光が見られる悪性度が高い部位、5-ALAで発光が見られない腫瘍から離れた部位、その中間の腫瘍が浸潤している部位に分けて採取した。
Positiveと正常脳に最も近いNegativeにおいて最も違いのある代謝経路の同定を行った。
Pyrimidine synthesis pathwayとserine synthesis pathwayがNegativeと比較してPositiveで最もupregulateされているpathwayであった。Nucleotide synthesisに関与するenzymeの中では、NME1, RRM1, RRM2B, NT5C3 がNegativeと比較してPositiveで有意に発現が上昇していた。
Serine synthetic pathwayでは、SHMT2とPSPHの発現が有意に上昇していたのに対して、その上流の酵素であるPSAT1はdownregulateしており、PHGDHの発現はNegativeとの有意な差は見られなかった。
GSE16011 glioma patients datasetとTCGA glioblastoma patients datasetにおいてserine synthesis pathwayに関与する7つの遺伝子を用いてsurvival Analysisを行った。Serine synthesis pathwayの活性はいずれのdatasetにおいてもpoor outcomeに相関していた。
これらの pathwayに関連する上記のenzymeは、膠芽腫に対する新たな治療戦略のターゲットとなる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

論文投稿中である。

今後の研究の推進方策

本研究において、Pyrimidine synthesis pathwayおよびserine synthesis pathwayに関連するenzymeは、膠芽腫に対する新たな治療戦略のターゲットとなる可能性が示唆された。
膠芽腫におけるserine synthesis pathwayの活性は、解糖系からのcarbon fluxに依存しているのではなく、SHMT2やPSPHが重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
今後はin vitroの実験系において、これらpathwayにおけるenzymeのknockdown/ overexpressionを行うことにより、膠芽腫細胞の代謝経路がどのように変化するのかを明らかにし、ex vivoとin vivoの実験系により、膠芽腫の生存や増殖に及ぼす効果について明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

論文投稿中であり、追加実験ならびにオープンアクセス掲載料に使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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