研究課題/領域番号 |
19K09542
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
設楽 仁 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (20588652)
|
研究分担者 |
佐々木 毅志 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (50834446)
濱野 哲敬 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (60813201) [辞退]
一ノ瀬 剛 群馬大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (70742550)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 反復性肩関節前方脱臼 / proprioception / 運動制御 / 肩 / fMRI |
研究実績の概要 |
背景および目的:肩関節は人体の関節の中で最も広い可動域を持っている反面、最も不安定であり、関節脱臼が最も起こりやすい関節でもあります。このような特性を持っている肩関節の安定性には、中枢神経による運動制御と末梢からのフィードバックの相互作用が不可欠です。肩の脱臼により、安定機構の破綻(下上腕関節靭帯-関節唇複合体損傷)が生じ、フィードバック信号である固有受容感覚(proprioception)が低下することが知られていました。しかしながら、これまでのproprioceptionの計測方法は、設定された可動域をあらかじめ記憶してもらい、再現させたときの角度との誤差を計測する(Joint Position Sense Test)末梢の評価であり、運動制御に関わる中枢神経機能を含む直接的で包括的な評価をする必要があると考え、今回の研究を行いました。 方法:健常者と反復性肩関節前方脱臼 (RSI)の方を対象として、肩関節の自動運動や他動運動時の運動制御やproprioceptionに関連する脳活動をfunctional MRIを用いて評価しました。また、末梢の損傷程度(不安定性の重症)の指標として、関節窩骨欠損率を用い、脳活動との相関解析を行いました。 結果:RSIではproprioceptionに関連した脳活動は有意に低下していました。また、proprioception関連脳活動の中で、運動同側の小脳の活動は、関節窩骨欠損の大きさと負の有意な相関がありました。末梢からのproprioception低下が、中枢神経の異常な運動制御を引き起こすことが明らかになり、RSIの反復する肩関節脱臼の病態に中枢神経機能異常が関与していることが示唆されました。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で被験者エントリーが制限されたため。
|
今後の研究の推進方策 |
被験者を増やし、術後の経過もフォローアップする予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で研究が遅延した。 研究成果の学会での発表などを行う。
|