研究実績の概要 |
ヒト正常軟骨細胞としてNHAC-Kn(Normal Human Articular, Chondrocyte-knee, Lonza社)を使用。まず、投与至適濃度を決定するために、テムシロリムスの薬剤毒性評価をCCK-8アッセイにて行った。次に、ヒト正常軟骨細胞にIL1-β10ng/ml刺激下に24時間培養したの後にテムシロリムスを投与しその24時間後にmRNAを採取し、細胞外基質分解酵素や炎症性サイトカインおよび、細胞外基質遺伝子の発現変化をreal-time PCRにて調べた、また、western blottingにてオートファジーマーカーのLC3-II/I比とBeclin1を、TUNEL染色でアポトーシスを評価した。Real-time PCR解析では、IL1-β刺激によりMMP-1、MMP-13、ADAMTS-4、ADAMTS-5、IL-1β及びIL-6 mRNAの発現が有意に上昇したがテムシロリムス投与により有意に抑制されていた。一方、ACAN及びCOL2A1はIL1-βにより有意に低下したが、テムシロリムスにより発現が改善された。さらにテムシロリムスの投与は LC3-II/I比とBeclin1の発現を有意に上昇させ、TUNEL染色におけるIL1-β誘導性TUNEL陽性細胞の割合を有意に減少させた。 In vivo マウス変形性膝関節症を以下のモデルを作成。(1)生後12週齢の野生型マウスに内側半月板不安定化による変形性関節症モデルを作成し、テムシロリムスの関節内投与を毎週施行し術後4,8,12,16週で組織を採取(2)老齢化マウスにおける変形性膝関節症の進行抑制効果確認のため、生後55週齢の野生型マウスに変形性関節症モデルを作成し、テムシロリムス投与を行い同様のタイミングで組織を採取。現在組織評価を行っている。
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