研究課題/領域番号 |
19K09556
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮崎 正志 大分大学, 医学部, 講師 (30527742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脊椎固定 / ラット / BMP / 骨折 / PTH |
研究実績の概要 |
骨粗鬆症薬である抗スクレロスチン抗体とBMPの相互効果と安全性を検討するためにラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルを確立した。また、これらの試薬との親和性の高いマテリアルを検討するために様々なマテリアルと様々な濃度を検討した。その後に動物実験を施行した。ラット脊椎固定モデルはラットの背部を約4cm切開し傍脊柱筋を筋膜から切開しL4, L5の脊椎横突起を展開した後、横突起間にマテルアルを置いた。ラット大腿骨骨折モデルはラットの大腿外側部を約4cm切開し大腿外側広筋を筋膜から切開し大腿骨を展開した後にボーンソーにて骨折させ、それをK-wireにて骨接合し、骨接合部にマテリアルを置い た。マテリアルを移植し6週間後にラットをsacrificeし移植した脊椎や大腿骨を摘出した。徒手骨癒合試験後に、X線撮影し、H.E染色による病理組織標本を作製した。また、マイクロCT検査を施行した。レントゲン像から骨癒合の判定の有無と、さらに病理組織標本から組織学的骨融合評価、架橋形成、骨陵の大きさ、細胞浸潤の程度など検討した。また、抗スクレロスチン抗体以外もBMPの相互効果と安全性を検討するため、様々な試薬の検討をラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルにて行った。その結果、抗スクレロスチン抗体とBMPの相互効果は、得られなかったが、骨粗鬆症薬である副甲状腺ホルモンの間欠投与でBMPによる骨癒合能が上昇することが判明した。副甲状腺ホルモンの間欠投与の投与回数によってより投与回数が多いほうが骨癒合に有利であることが判明した。それぞれの結果を国際誌に投稿して、受諾され公開された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨粗鬆症薬である抗スクレロスチン抗体とBMPの相互効果と安全性を検討するためにラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルを用いて検討したが、骨癒合能やマイクロCT検査の骨量や骨質の上昇効果を得られなかった。副甲状腺ホルモンの間欠投与の投与回数によってより投与回数が多いほうが骨癒合に有利であることが判明した。それぞれの結果を国際誌に投稿して、受諾され公開された。
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今後の研究の推進方策 |
骨粗鬆症薬である抗スクレロスチン抗体とBMPの相互効果と安全性を検討するためにラット脊椎固定モデル、ラット大腿骨骨折モデルを用いて検討しているが、骨癒合能やマイクロCT検査の骨量や骨質の上昇効果を得られなかった。副甲状腺ホルモンの間欠投与の投与回数によってより投与回数が多いほうが骨癒合に有利であることが判明した。さらに他の骨代謝に関わる薬剤とBMPの相互効果を検討し今後、骨代謝マーカーの動向を実験予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入において当初予定していた金額より、安く購入できたため差額が生じた。 差額は翌年度分として請求した助成金と合わせて、動物実験の動物購入費や消耗品の購入に使用する予定である。
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