現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染回避のための大学等の処置として、1月からの研究が停滞した。今年度は、購入した備品申請機器Mic QPCRの最適測定条件を決定することに重点を置き、GSHを経口投与した廃用性筋萎縮発生ラットの既存の筋試料を用いて、廃用性筋萎縮に及ぼすGSH投与の影響に関する遺伝子MuRF-1、MAFbx、AKTおよびmTORの発現の測定を実施した。また、筋線維横断面積との関連を確認した。 qRT-PCRに使用された各種プライマーおよび測定条件は、次のようである。逆転写反応: 37℃, 15min → 85℃, 5sec → 4℃. PCR反応: 1st step [Cycle: 1, 95℃, 30sec], 2nd step [Cycle: 40, 95℃, 5sec → 60℃, 30sec]. 筋萎縮関連遺伝子のMuRF-1、MAFbxの発現は、コントロール群と比較して廃用性筋萎縮群、GSH投与廃用性筋萎縮群ともに有意な増加を示したが、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な低下を示した。また、筋タンパク合成遺伝子のAKT、mTORの発現は、群間で差がなかった。筋線維横断面積は、コントロール群と比較して廃用性筋萎縮群、GSH投与廃用性筋萎縮群ともに有意な低下を示したが、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な増加を示した。廃用性筋萎縮に対する経口GSH投与は、筋中の筋委縮関連遺伝子の発現を低下させる可能性が示唆された。 さらに、筋中の亜硝酸イオンレベル、カルボニル化タンパク質、GSH/GSSGおよび血漿中キサンチンオキシダーゼ活性との関連も検討する必要がある。
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