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2019 年度 実施状況報告書

廃用性筋萎縮の進展と回復過程に及ぼす経口グルタチオン投与の有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09560
研究機関城西大学

研究代表者

内田 博之  城西大学, 薬学部, 教授 (20245195)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード廃用性筋萎縮 / 筋萎縮関連遺伝子 / MuRF-1 / MAFbx
研究実績の概要

購入した備品申請機器Mic QPCRの最適測定条件を決定することに重点を置き、GSHを経口投与した廃用性筋萎縮発生ラットの既存の筋試料を用いて、廃用性筋萎縮に及ぼすGSH投与の影響に関する遺伝子MuRF-1、MAFbx、AKTおよびmTORの発現の測定を実施した。
筋萎縮関連遺伝子のMuRF-1、MAFbxの発現は、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な低下を示した。また、筋タンパク合成遺伝子のAKT、mTORの発現は、群間で差がなかった。筋線維横断面積は、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な増加を示した。廃用性筋萎縮に対する経口GSH投与は、筋中の筋委縮関連遺伝子の発現を低下させる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染回避のための大学等の処置として、1月からの研究が停滞した。今年度は、購入した備品申請機器Mic QPCRの最適測定条件を決定することに重点を置き、GSHを経口投与した廃用性筋萎縮発生ラットの既存の筋試料を用いて、廃用性筋萎縮に及ぼすGSH投与の影響に関する遺伝子MuRF-1、MAFbx、AKTおよびmTORの発現の測定を実施した。また、筋線維横断面積との関連を確認した。
qRT-PCRに使用された各種プライマーおよび測定条件は、次のようである。逆転写反応: 37℃, 15min → 85℃, 5sec → 4℃. PCR反応: 1st step [Cycle: 1, 95℃, 30sec], 2nd step [Cycle: 40, 95℃, 5sec → 60℃, 30sec].
筋萎縮関連遺伝子のMuRF-1、MAFbxの発現は、コントロール群と比較して廃用性筋萎縮群、GSH投与廃用性筋萎縮群ともに有意な増加を示したが、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な低下を示した。また、筋タンパク合成遺伝子のAKT、mTORの発現は、群間で差がなかった。筋線維横断面積は、コントロール群と比較して廃用性筋萎縮群、GSH投与廃用性筋萎縮群ともに有意な低下を示したが、廃用性筋萎縮群と比較してGSH投与廃用性筋萎縮群では有意な増加を示した。廃用性筋萎縮に対する経口GSH投与は、筋中の筋委縮関連遺伝子の発現を低下させる可能性が示唆された。
さらに、筋中の亜硝酸イオンレベル、カルボニル化タンパク質、GSH/GSSGおよび血漿中キサンチンオキシダーゼ活性との関連も検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

筋萎縮関連遺伝子のMuRF-1、MAFbxの発現と筋線維横断面積より、廃用性筋萎縮に対する経口GSH投与は、筋中の筋委縮関連遺伝子の発現を低下させる可能性が示唆された。これらの現象をサポートするために、当該筋試料を用いた筋中の亜硝酸イオンレベル、カルボニル化タンパク質レベル、GSH/GSSGレベルおよび血漿中キサンチンオキシダーゼ活性との関連も検討する必要がある。
また、新規にラットを購入し、左後肢膝・足関節を7日間テーピング固定することにより、廃用性筋萎縮発生モデルラットを作成する。テーピング固定を解除後、リハビリテーション(膝・足関節の伸展・屈曲)の実施、GSH投与+リハビリテーションの実施を行う。廃用性筋萎縮の改善におけるGSHおよびリハビリテーションの有効性を観察する。
測定項目は、腓腹筋重量、筋線維横断面積、キサンチンオキシダーゼ活性、亜硝酸イオンレベル、カルボニル化タンパク質レベル、筋萎縮関連遺伝子の発現、GSH/GSSGレベルおよび血漿中キサンチンオキシダーゼ活性である。

次年度使用額が生じた理由

人事異動に伴い講座を移動したのに伴い、実験時間の確保が難しかったこと、また、新型コロナウイルスの感染回避処置により、ラットの飼育を延期せざるを得なかったため。
この金額のほとんどは、次回のラットの飼育等に使用する。

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公開日: 2021-01-27  

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