研究課題/領域番号 |
19K09560
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
内田 博之 城西大学, 薬学部, 教授 (20245195)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 廃用性筋萎縮 / 筋萎縮関連遺伝子 / MuRF-1 / MAFbx |
研究実績の概要 |
廃用症候群には、① 筋萎縮、② 関節拘縮、③ 褥瘡、④ 廃用性骨萎縮(骨粗鬆症)、⑤ 起立性低血圧、⑥精神的合併症、⑦ 括約筋障害(便秘・尿便失禁)がある。廃用症候群発症者は、施設入所や在宅療養、加齢による身体機能の低下、精神的障害を有することが多く、低栄養にもなりやすい。廃用症候群のうち廃用性筋萎縮は、加齢や身体活動低下により生じる筋の萎縮で、筋細胞横断面積の縮小および筋収縮能力の低下を招く。後肢関節固定モデルラットに生じた廃用性筋萎縮の回復過程に及ぼす経口GSH投与およびリハビリテーションの相乗的有効性を明らかにする。 廃用性筋萎縮の回復過程において、コントロール群に比べてリハビリテーション処置群、GSH投与とリハビリテーション処置群では、筋横断面積が大きかった。また、GSH投与群に比べて、GSH投与にリハビリテーション処置群の方が筋横断面積が大きかった。廃用性筋萎縮の回復には、リハビリテーション処置およびGSH投与にリハビリテーション処置を行うと効果的であった。 リハビリテーション処置群に比べて、GSH投与とリハビリテーション処置群では、キサンチンオキシダーゼ活性が低下した。廃用性筋萎縮の回復を抑制するキサンチンオキシダーゼの活性は、リハビリテーション処置に加えGSH投与を行うと減弱した。 コントロール群に比べて、 GSH投与とリハビリテーション処置群では、GSH/GSSG比が増加した。廃用性筋萎縮の回復を抑制するROSの消去能は、リハビリテーション処置に加えGSH投与を行うと増加した。 以上の結果より、経口GSH投与およびリハビリテーション処置は、廃用性筋萎縮の回復過程において、相乗的有効性が示唆された。他の種々のパラメーターを測定し、裏付けデータを揃えていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染回避のために、動物実験の開始が遅れてしまい、現在のところ廃用性筋萎縮の回復過程を測定するパラメーターとして、腓腹筋横断面積、キサンチンオキシダーゼ活性、GSH/GSSG比の測定までが完了している。 残りの筋萎縮関連遺伝子のmRNA発現、筋萎縮関連シグナルタンパク発現、カルボニル化タンパク質の測定は、これから実施する。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ廃用性筋萎縮の回復過程を測定するパラメーターとして、腓腹筋横断面積、キサンチンオキシダーゼ活性、GSH/GSSG比の測定までが完了しているので、残りの筋萎縮関連遺伝子のmRNA発現、筋萎縮関連シグナルタンパク発現、カルボニル化タンパク質の測定をら実施する。 今年度の後半には、測定が完了するものと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染回避のために、動物実験の開始が遅れた。 その結果、現在のところ廃用性筋萎縮の回復過程を測定するパラメーターとして、腓腹筋横断面積、キサンチンオキシダーゼ活性、GSH/GSSG比の測定までが完了している。 残りの筋萎縮関連遺伝子のmRNA発現、筋萎縮関連シグナルタンパク発現、カルボニル化タンパク質の測定にかかわる費用がこの次年度使用額である。 今年度の測定費用として使用していく。
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