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2021 年度 実績報告書

廃用性筋萎縮の進展と回復過程に及ぼす経口グルタチオン投与の有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09560
研究機関城西大学

研究代表者

内田 博之  城西大学, 薬学部, 教授 (20245195)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード廃用性筋萎縮 / グルタチオン / 活性酸素種 / 筋萎縮関連遺伝子
研究実績の概要

廃用性筋萎縮は筋の機能的および形質的変化を引き起こす。これに対する有効な予防法や治療法は、運動療法以外に確立されていない。廃用性筋萎縮の予防として、特定の栄養成分の摂取による効果が期待されている。廃用性筋萎縮の分子メカニズムは、筋タンパク質の合成抑制や分解亢進により生じ、IGF-1介在ユビキチン-プロテアソーム経路による筋タンパク質分解の促進、PI3K/AKT/mTOR経路によるタンパク質合成の抑制である。ROS介在酸化ストレス経路による筋タンパク質の分解も促進される。筋タンパク質の分解には、AKT、FOXO、ROSを介したMAFbx/atrogin-1、MuRF-1と呼ばれる筋萎縮関連遺伝子の発現が関与する。生体内のGSHは、抗酸化作用や薬物代謝などに関与している。生体内のGSHが枯渇する加齢関連疾患では、GSHの投与が治療や予防に有用である。
これまでに、後肢固定廃用性筋萎縮モデルラットへの経口GSH投与は、骨格筋中に萎縮の進展とともに生じたROSを消去し、筋タンパク質分解を軽減することを介し、廃用性筋萎縮を予防することが明らかとなった。さらに、後肢固定廃用性筋萎縮の回復過程に及ぼす経口GSH投与およびリハビリテーションの相乗的有効性を検討している。
廃用性筋萎縮の回復過程に、リハビリテーション処置を実施することにより有意に萎縮が改善し、リハビリテーション処置に加え経口GSH投与をするとさらに改善が進むことが明らかとなった。廃用性筋萎縮の発生に関与するキサンチンオキシダーゼ活性やROS産生は、リハビリテーション処置に加え経口GSH投与により減弱した。この時にGSH/GSSGレベルが増加することより、リハビリテーションは筋組織中のGSH産生を促す作用があった。筋タンパク質分解に関連するROS介在酸化ストレス経路の遺伝子発現についても、上記の裏付けとなる結果が得られ始めている。

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公開日: 2022-12-28  

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