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2021 年度 実績報告書

慢性疼痛に対する視床下部-脊髄系の疼痛受容および抑制システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09564
研究機関産業医科大学

研究代表者

川崎 展  産業医科大学, 医学部, 講師 (40644860)

研究分担者 上田 陽一  産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードオキシトシン / トランスジェニックラット / 変形性膝関節症 / MIA / 神経障害性疼痛
研究実績の概要

令和3年度はOXT-mRFP1トランスジェニック(Tg)ラットを用いて神経障害性疼痛(NP)モデルを作成し、OXTの発現動態を観察した。処置前、処置後7日および14日後の機械刺激に対する痛覚閾値を、対照群を偽手術群とし、評価した。処置後7日および14日後にNP群では偽手術群と比較し、痛覚閾値が有意に低下した。また、視床下部の視索上核(SON)および室傍核(PVN)OXT-mRFP1陽性ニューロンの蛍光輝度を測定し、第5腰椎(L5)脊髄後角におけるOXT mRFP1陽性顆粒数を計数した。NP群は対照群と比較し、SONおよびPVNにおけるOXT mRFP1の赤色蛍光輝度が有意に高値であり、L5レベルの脊髄後角におけるOXT-mRFP1陽性顆粒も有意に増加した。以上よりNPモデルにおいて、オキシトシンの発現が増加することが示唆された。
また、雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを用いて、難治性慢性疼痛と知られる線維筋痛症(FM)モデルを作成し、電気生理学的実験を行なった。レセルピンを皮下投与し、FMモデルを作成した。痛覚過敏および鬱様行動を呈したことを確認するために、皮下注射終了6日後にvon Frey testによる機械刺激に対する痛覚閾値および強制水泳試験における不動時間を評価した。その結果FM群では、機械刺激に対する痛覚閾値が有意に低下し、強制水泳試験における不動時間の有意な増加を認め、OXT-mRFP1 Tg ラットにおいてFM様症状が模倣できていることを確認した。上記と同様の方法にて、FMモデルを作成し、ホールセルパッチクランプ法を用いて内因性OXTニューロンの電気生理学的解析も行なった。内因性OXTニューロンにおける興奮性シナプス後電流(EPSC)がFM群で低下することを確認し、OXTニューロンの活動性の低下がFMの病態に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] TRPV1ノックアウトマウスを用いた神経障害性疼痛における疼痛逃避行動と脊椎後角の神経/グリアの活性の変化2021

    • 著者名/発表者名
      馬場一彦、川崎展、鈴木仁士、松浦孝紀、山中芳亮、大西英生、上田陽一
    • 学会等名
      第65回日本リウマチ学会総会・学術集会
  • [学会発表] 神経障害性疼痛モデルラットにおけるバゾプレッシンの発現動態および鎮痛への関与2021

    • 著者名/発表者名
      馬場一彦、川崎展、池田直史、鈴木仁士、清水真喜子、眞田賢哉、吉村充弘、丸山崇、上田陽一、酒井昭典
    • 学会等名
      第47回神経内分泌学会
  • [学会発表] レセルピン反復投与誘発線維筋痛症モデルラットにおける痛覚反応・うつ状態の評価及びオキシトシン系活性化2021

    • 著者名/発表者名
      池田直史、川崎展、清水真喜子、馬場一彦、西村春来、眞田賢哉、西村和朗、鈴木仁士、吉村充弘、丸山崇、上田陽一、酒井昭典
    • 学会等名
      第72回西日本生理学会
  • [学会発表] 一酸化窒素はラット視床下部オキシトシン作動性ニューロンでの長期増強の維持に関与する2021

    • 著者名/発表者名
      松浦孝紀、川崎展、鈴木仁士、藤谷晃亮、池田直史、馬場一彦、山中芳亮、大西英生、上田陽一、酒井昭典
    • 学会等名
      第43回日本疼痛学会

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公開日: 2022-12-28  

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