研究課題
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、要介護になるリスクの高い状態であるが、運動器疾患とそれに伴う長期の運動器疾患に対する薬剤使用が要介護、死亡の発生に与える影響については明らかではない。本研究の目的は、一般住民を母集団する疫学調査において、1)運動器疾患と、生活習慣病、心理社会的因子と認知症との関係を明らかにすること、2)運動器疾患における要介護と死亡発生の関係と予測因子を解明すること、3)運動器疾患に対する長期服薬が要介護と死亡発生に与える影響を解析すること、4)運動器疾患とその機能・生活習慣などの測定項目を用いて、要介護状態発生のハイリスク者を特定するためのリスクチャートを作成することである。選定基準に合致した対象者のうち、運動器疾患に伴い腰痛または膝部痛のいずれかの部位の痛みを有する対象者は、新規の認知症発症は9.0% 、転倒による入院イベントは0.9%に発生した。さらに、腰痛と膝部痛の両者の複数疼痛を有する対象者では新規の認知症発症16.5%、転倒による入院イベントはMCP群で6例、3.1%に発生し、運動器疾患が関与することが明らかとなり、予測と予防の視点からのさらなる検討が必要である。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
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