サルコペニアは加齢性に筋量と筋力が共に低下する退行性疾患であり、加齢を背景にした多因子疾患であると考えられていた。今回申請者はIGF1という単一の因子の血中濃度の低下のみによってサルコペニア様の表現型を若年齢のマウスにおいても発症し得る知見を得た。このことはサルコペニアの病態や発症要因を理解する上で重要な知見であり、学術的に意義がある。また、今回のモデルマウスではコントロールマウスの約半分の濃度にIGF1レベルを低下させているが、これはまさに人でも高齢者では若年者に比べて血中IGF1レベルが約1/2に低下することが知られており、本知見の人への応用という意味でも社会的意義も大きいと考えている。
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