研究課題
膝関節の前十靭帯(Anterior Cruciate Ligament: ACL)損傷は主にバスケットボールなどのスポーツ選手に多く発生する外傷で、一般的には自然治癒せず、手術の適応となる。しかし手術後も元々のスポーツレベルに復帰できない選手もおり、ACL損傷はその予防が重要である。XII型コラーゲンは力学的負荷の高い結合組織で発現量が高いコラーゲンであり、Col12a1の変異はACL損傷と関連があると報告されている。ヒト疾患では、Col12a1の遺伝子変異は関節過伸展や拘縮を主徴とする疾患の原因であることから、XII型コラーゲンは腱・靭帯を制御することで、関節の可動域制御に関わっていることが示唆される。しかしそのメカニズムは分かっていない。本研究では遺伝子欠損マウスを用いて、ACLの組織学的解析及び運動能力解析を行い、膝関節におけるXII型コラーゲンの役割を明らかにすることを目的とした。Col12a1欠失(KO)マウスを用いた結果では20-53%のKOマウスでACLの連続性が失なわれている個体が見られた。野生型ではこのような変化は見られなかった。4週齢と19週齢で、同様の変化が見られたことから、生後早期に断裂したと考えられる。蛍光免疫染色において、12型コラーゲンがACLに発現している事が確認された事から、12型コラーゲンはACLの維持機構に何らかの機能を有していると考えられた。高齢マウスのACLでは若年齢と比較してCOl12a1の発現の低下傾向が見られたが、有意な差ではなかった。本研究により、XII型コラーゲンがACLの維持機能に役割を果たしていることが明らかになった。
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