研究課題/領域番号 |
19K09602
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小関 弘展 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70457571)
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研究分担者 |
志田 崇之 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00625733)
尾崎 誠 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20380959)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨萎縮 / 不動 / 微細構造 |
研究実績の概要 |
R1年度に不動性骨萎縮ラットの実験系を確立し,安定した試料の採取が可能となった。R2年度は第2段階として不動性骨萎縮の病態解明を掲げていた。各課題項目は次の通りである。6) 大腿骨骨幹端部(海綿骨)と骨幹部(皮質骨)の骨微細構造項目値を計測する。7) 外固定期間(1~12週)におけるmicro-CT項目値の推移をコントロール群と比較する。8) 大腿骨長と周囲径を計測した後,3点曲げ試験,圧縮強度試験を行う。9) 3点曲げ試験,圧縮強度試験の結果を集計し,コントロール群と比較する。10)micro-CT値の3次元構造トルク値と実際の強度試験の結果との相関関係を分析する。 R2年3月31日時点で,120個の検体試料を採取し,大腿骨骨幹端部海綿骨と骨幹部皮質骨のmicro-CT項目値の推移をモニターした。その結果,外固定1週後には大腿骨の成長が阻害され,2週後には既に皮質骨,海綿骨ともに構造学的破壊が進行していることが判明した。現在は,コントロール群との統計学的比較・検討を進めている。更に,大腿骨長と周囲径を計測し,3点曲げ試験(最大曲げ強度,最終破断強度),圧縮強度試験(初期圧壊強度,最終圧潰強度)の結果を集計して,本年度も適宜全国規模の学会で発表を予定している。micro-CT値の3次元構造トルク値との相関分析はR3年度に持ち越しの見込みである。R2年4月~R3年3月まで期間における学会演題発表は12回(その内招待講演3回)であり,論文掲載は7編(その内英字論文2編,いずれもSCIEジャーナル)である。現在,英字論文3編を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進行しているが、感染拡大などの社会的要因により一部の物品購入に日にちを要するため、残りはR3年度に計上する。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度は最終年度となるため、これまでのデータをもとにして不動性骨萎縮の予防対策の効果を判定することに挑む予定である。現状では、ベルト電極式骨格筋電気刺激装置の有用性を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大により,一部の物品と備品の納入時期が遅れたため,R2年度の使用額が低くなり,次年度使用額が生じた。具体的には,膨大なデータを管理するセキュリティーレベルの高いOA機器と解析ソフトウェア,データを保存する電子媒体を購入する予定である。また,消耗品として免疫染色などの試薬,組織保存包装紙や飼育用の餌や水の購入費,解剖キット,印刷用紙,プリンタインク,研究室内のシャーレやピペットなどの物品費,延期となった学会への参加費,演題登録料,旅費,そして論文作成における英文校閲,ジャーナル投稿及び掲載料などの費用が見込まれる。
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