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2019 年度 実施状況報告書

電子タバコのエアロゾル吸入が骨癒合に及ぼす影響の検証と禁煙の有効性評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K09604
研究機関大阪市立大学

研究代表者

平川 義弘  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (60735976)

研究分担者 玉井 孝司  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (30711824)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードCigarette Smoke Extract / Heated Tobacco Product / cell viability
研究実績の概要

2019年度は、本研究の核ともいえる燃焼式/電子タバコエアロゾル抽出液(CSE/H-CSE)を調整する実験系を確立することに成功した。50mlファルコンチューブにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)35mlを満たし、ガラス管2つを通した穴あきゴム栓で密閉空間を作る。ガラス管の片方シリコンチューブを介してタバコに接続し、もう片方のガラス管はシリコンチューブを介して50mlのシリンジに接続する。タバコを点火/加熱した状態で50mlシリンジを吸引すると、タバコ吸入気体がPBS内でバブルとして発生し溶解させることで、抽出液を調整できる。吸入プロトコルは過去のCSE作成報告に基づき、35ml/2秒/回の吸入を30秒に1回行う(Gellner, Curr Protoc Neurosci. 2017)。1/3/6/9本で調整した抽出液濃度を吸光度OD320nmで定量化するといずれの検体も本数依存性に吸光度が上昇し、近似直線を描くことができた。3本で調整されたCSE/eCSEを100%濃度と規定し、吸光度OD320nmを測定し濃度を標準化する指標とした 。この手法によって得られた溶液を希釈し各濃度のCSE/H-CSEを用いて実験を行うことができる。さらに、マウス筋線維芽細胞であるC2C12に0, 0.1, 1, 5, 10, 20, 30, 50%のCES/H-CSEを投与し6, 24, 48時間でMTT assayを行ったところ、濃度・時間依存性にviabilityの低下を認めた。いずれの抽出液も5%濃度では48時間経過してもcell viabilityはcontrolと比較し保たれていること、同じ濃度においてはviabilityはcontrol>H-CSE群>CSE群であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は燃焼式たばこと電子タバコの骨癒合に及ぼす影響を明らかにすることである。その上で最も重要であるのが「標準化されたプロトコルで燃焼式たばこと電子タバコの抽出液を作成し比較する」ことであった。in vitro studyにおいて細胞に骨分化を誘導し評価する実験系、in vivo studyにおける骨折モデルを作成、評価する実験系は当教室ですでに技術確立がなされていることから、今後これらの抽出液をこの実験系に掛け合わせることで本研究の目的は達成可能と考えられる。

今後の研究の推進方策

In vitro study: 5%濃度CSE/H-CSEをC2C12の投与しさらにBMP-2を投与することによって骨分化を誘導する。2日おきにmedium changeを行い1週間でALP活性、アリザリンレッド染色、qPCRを行い骨分化を評価する。同様の実験を異なるcell lineであるST2細胞においても行い、電子タバコの骨分化へ及ぼす影響を燃焼式たばこと比較する。これらの実験系が確立されたのちヒト由来骨髄間葉系細胞(MSC)を骨分化培地で培養し同様に抽出液の影響を評価する。骨折時の骨癒合に重要な役割を果たすとされているMSCの骨分化阻害作用を比較検討することがin vitro評価の目標である。
in vivo study: ラット大腿骨骨折モデルを作成し、100%CSE/H-CSE1mlをday 0,5,10,15,20に腹腔内投与する。4週で犠牲しさせμCTにより仮骨形成量を比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究動物・細胞・細胞関連薬剤の購入を予定していたが、研究の進捗状況より購入を次年度に見合わせた。研究に用いるため、次年度に購入予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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