研究実績の概要 |
変形性膝関節症(OA)における疼痛と膝蓋下脂肪体における神経ペプチドとの関連性を検討した。人工膝関節全置換術(TKA)を施行した際に変形性関節症(OA)患者から採取した膝蓋下脂肪体からRNAを抽出し、神経ペプチド(AGRP, CGRP, Substance P, 新規Peptide X, Apelin, Neuropeptide Y)の発現を検討した。また、安静時および動作時の疼痛スコア(Visual Analog Scale VAS)との関連性を検討した。AGRP, CGRP, Substance P, Apelin, Neuropeptide Yと安静時VAS(AGRP, P=0.094; CGRP=0.076; Substance P, P=0.740; Apelin, P=0.208; Neuropeptide Y, P=0.469)、動作時VAS(AGRP, P=0.703; CGRP=0.701; Substance P, P=0.912; Apelin, P=0.651; Neuropeptide Y, P=0.738)との間に相関は認められなかった。一方、新規peptide Xは安静時VASと負の相関を認めた(r=-0.378, P=0.043)。膝蓋下脂肪における新規peptide Xは疼痛抑制に関与している可能性が示唆された。現在、peptide Xのノックアウトマウスを用いて機能解析を行っている。
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