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2019 年度 実施状況報告書

新規医療用接着剤を用いた整形外科領域における軟部組織の接着への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K09607
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

鈴木 拓  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90445304)

研究分担者 田口 哲志  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード生体接着剤 / sutureless / 神経断裂 / 腱断裂
研究実績の概要

本研究は整形外科領域における神経や腱損傷といった軟部組織損傷に対して新規に開発された接着剤の接着効果を検討することである.本研究は軟部組織の中でも神経,腱切断における接着効果を検討する.研究期間内に切断した神経,腱に対する接着剤の①強度評価②機能評価③組織学的評価を行う。
①強度試験は,新鮮凍結屍体の指神経や指屈筋腱を用いて,より臨床に近い対象を用いて行う.既存の縫合法と,縫合せずにフィブリン糊,本生体接着剤を用いた接着との強度比較試験を行う.
②神経, 腱の機能評価を行うことで,本接着剤が接着のみならず, 接着後の機能も維持されていることを確認する. 機能評価はラットの坐骨神経とアキレス腱を用いて行う。神経はSciatic functional index,神経刺激装置を用いた支配筋の活動電位,前脛骨筋の重量を測定することで支配筋の回復の状態を評価する.腱はラットのアキレス腱の癒着モデルを用いて,腱の滑走を調査する. これらの評価も既存の縫合法と同接着剤による縫合、フィブリンを用いた接着を比較する.
③同接着剤を用いて接着された神経,腱の組織学的評価を行う.神経,腱の断端を接着した部位における病理組織像,免疫組織像を明らかにして,本接着剤による損傷部位の組織再生評価をする.坐骨神経この組織学的評価もラットの坐骨神経とアキレス腱を用いて行い, 既存の縫合法、フィブリンを用いた接着との比較検討を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

指神経を用いた強度試験やラットの坐骨神経を用いた機能評価において、従来のフィブリンよりも強度が強いことが証明され、フィブリンや縫合と同等、それ以上の生体親和性があることが証明されたから。
残りの研究期間で腱の評価を行う予定である。

今後の研究の推進方策

現在の生体接着剤の神経における生体親和性は証明されたため、今後は、現在の生体接着剤の強度をより高めるために開発を行い、suturelessの実現にむけて開発を継続する。
また腱の評価においても引き続き継続して行う。

次年度使用額が生じた理由

2019年度に、神経切断モデルの分析を行い、その結果を基に国内、海外学会で発表する予定であったが、結果がでるまでにやや時間がかかったため、未使用額が生じた。
次年度の使用計画については旅費として計上および研究遂行上必要となった機材の購入に充てる。

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公開日: 2021-01-27  

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