研究実績の概要 |
本研究は整形外科領域における神経や腱損傷といった軟部組織損傷に対して新規に開発された接着剤の接着効果を検討することである.本研究は軟部組織の中でも神経,腱切断における接着効果を検討する.研究期間内に切断した神経,腱に対する接着剤の①強度評価②機能評価③組織学的評価を行う。 ①強度試験は,新鮮凍結屍体の指神経や指屈筋腱を用いて,より臨床に近い対象を用いて行う.既存の縫合法と,縫合せずにフィブリン糊,本生体接着剤を用いた接着との強度比較試験を行う. ②神経, 腱の機能評価を行うことで,本接着剤が接着のみならず, 接着後の機能も維持されていることを確認する. 機能評価はラットの坐骨神経とアキレス腱を用いて行う。神経はSciatic functional index,神経刺激装置を用いた支配筋の活動電位,前脛骨筋の重量を測定することで支配筋の回復の状態を評価する.腱はラットのアキレス腱の癒着モデルを用いて,腱の滑走を調査する. これらの評価も既存の縫合法と同接着剤による縫合、フィブリンを用いた接着を比較する. ③同接着剤を用いて接着された神経,腱の組織学的評価を行う.神経,腱の断端を接着した部位における病理組織像,免疫組織像を明らかにして,本接着剤による損傷部位の組織再生評価をする.坐骨神経この組織学的評価もラットの坐骨神経とアキレス腱を用いて行い, 既存の縫合法、フィブリンを用いた接着との比較検討を行う.
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