研究課題
基盤研究(C)
「神経内分水嶺内部への血管新生因子注入は、損傷神経の再生を促進させる」との独創的な仮説に基づいて、ラット急性神経損傷モデルの損傷神経に対して神経剥離術と分水嶺内(神経束間結合組織内)血管新生因子(塩基性線維芽細胞増殖因子:bFGF)注入を併用したところ、神経機能回復が有意に促進された。超音波治療器を併用することで、その可能性がさらに拡大することも示唆された。このことを応用することで、ヒトの各種難治性末梢神経障害に対する有効な新規治療法開発すべく臨床応用を進めたい。
末梢神経障害
「神経内分水嶺内部への血管新生因子注入は、損傷神経の再生を促進させる」ことが初めて実証されたことは学術的に極めて意義深い。またこの効果は神経内への血管新生因子注入のみならず、神経外への血管新生因子注入でも獲得されることが示唆されたことは本法を臨床応用する上で大きな進捗であった。ヒトの各種難治性末梢神経障害に対する有効な新規治療法開発の目処がついたことから、その社会的意義も極めて大きいと考えている。