研究課題/領域番号 |
19K09619
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小嶋 俊久 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70378032)
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研究分担者 |
寺部 健哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10816870)
祖父江 康司 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70790715) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 軟骨細胞 / 代謝リプログラミング / メカニカルストレス |
研究実績の概要 |
軟骨細胞のメカニカルストレスによる代謝リプログラミングを検討するため、本年度は、軟骨細胞の主たるメカノレセプターとしてTRPV-4に注目し、TRPV-4の特異的agonist(GSK101)による刺激実験を行った。 ウシ関節軟骨細胞を単離し、GSK101 (1nM)にて刺激。RT-PCR法にて基質分解酵素MMP3は各時間のcontrolに比べて3-12時間で3-4倍程度亢進していた。解糖系リプログラミングに関与するGLUT1は6-12時間で3倍程度亢進していた。MMP3およびGLUT1の発現が亢進したことから、TRPV4を介した軟骨糖代謝リプログラミングと軟骨基質破壊作用が存在する可能性が示唆された。 より低低濃度のGSK101刺激(500pM)とすると、IL-1β(10ng/mL)にて誘導されるMMP-13, ADAMTS-4, -5の発現は、有意に抑制された。メカニカルストレスの程度により、細胞の応答が変化することが示唆される。これらの細胞応答の変化と代謝リプログラミングの関連についても検討を進める。以上の結果は2019年、日本整形外科学会基礎学術集会(服部ら)日本リウマチ学会ベーシックカンファレンスにて発表した。 さらに、Seahorse細胞外フラックスアナライザーを用いた実験については、IL-1β刺激下の軟骨糖代謝リプログラミングglycolysisの変化を検証する中で、方法を確立した。 In vivoの実験系については、動物実験施設は完備しており、関節炎モデルとしてコラーゲン関節炎について、関節炎誘発の再現性を確認することができた。また、メカニカルストレス負荷モデルとして、マウス走行モデルを採用し、現在、軟骨破壊が起こる条件を設定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
および動物実験ともに研究を進めることができた。 培養系、検証のための実験系を、ほぼ確立することができた。 さらなる検証が可能である。 動物実験についても、施設の確保等の準備も順調に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
培養実験系では、今後さらに、糖代謝リプログラミングに関与する分子の発現の変化について、検証を進める予定である。 動物実験について、今後半年で、条件設定を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
走行モデルのための機種選定がやや遅れ、計画に少々遅れが生じたため。次年度に研究を進め、使用する。
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