研究課題/領域番号 |
19K09622
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
美舩 泰 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80608464)
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研究分担者 |
乾 淳幸 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70457092)
西本 華子 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (30707154)
国分 毅 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (40403266) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肩腱板断裂 / 抗酸化物質 / アポシニン / NMN / DHEA |
研究実績の概要 |
in vitroの実験において、まずラット腱由来細胞を高糖度条件下に培養し、そこに抗酸化物質であるDHEAを添加した。高糖度ストレスによって増加したNOX-1、NOX-4、IL-6、RAGEの発現上昇が、DHEA投与によって有意に低下していた。またROS陽性細胞数、アポトーシス発現数もコントロール群と比べて、DHEA投与群において有意に減少することがわかった。細胞活性においても、糖負荷により減少するところを、DHEA投与によって有意な上昇を認めた。これらより、ラット腱由来細胞において、DHEAはNOXを阻害することでROS産生を低下させ、抗 酸化作用を示しすことがわかった。またROS産生の低下に伴い、抗炎症効果やアポトーシス抑制効果、細胞活性上昇効果も認めた。 DHEAに関するin vivo実験では、まず通常ラットにストレプトゾシンを注射し、糖尿病ラットを作成した。次に、DHEA投与群では2日に1回DHEAの腹腔内注射を4週間行った。その後、アキレス腱を採取、分析し、DHEA注射を行わないコントロール群でも同様にアキレス腱検体を採取し、2群間での比較を行った。HE染色では2群間で明らかな差異は認めなかったが、NOX-1の免疫染色では、DHEA群において有意な発現の減少を認めた。また、組織より抽出したRNAによるPCRでは、NOX-1だけでなく、type Ⅲ collagen、TIMP-2、IL-6の発現の減少も認めた。これより、in vivo 環境下でもDHEAは高血糖による腱の変性を抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年から引き続き、それぞれの抗酸化物質について、一人の責任担当者を設けて、実験を進めていることが功を奏していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に、各抗酸化物質に対して一人の担当責任者を継続し、動物実験に対しても同じ方法で進めているので、順調に経過している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行のため、一部学会参加が中止になり、予算が少し余っている。本年度も学会参加は制限されることが予想されるため、その分、実験試薬への使用を予定している。
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