研究課題
本研究の目的は、大規模一般地域住民コホートを用いて脊柱後弯症の縦断的追跡調査を行い、これまでに明らかになっていない、その新規発生率、自然経過、予後、危険因子を解明し、脊柱後弯症の新たな治療指針を策定することである。今回、立案した研究計画は1.第3次追跡調査の解析、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバック、の3つである。2020年度に実施した研究の成果としては、1.第3次追跡調査の解析を2019年度に引き続き行った。さらに2013年第2次検診時に得られた腰椎検診およびMRI検査結果と、すでに本体コホートの検診で得られているX線調査結果をレコードリンケージすることにより、脊柱後弯症に関連するデータの解析中である。2018年第3次検診でも同様の手法を用いた検診を実施し、そのデータの解析も進行中である。調査項目は、問診票のデータ(性、年齢、既往歴、運動歴、痛みに関する自覚症状、ADL評価、QOL関連項目等)、身体測定項目(身長、体重、翼幅、握力等)、血液・尿検査項目に加え、腰椎の画像評価(立位全脊柱X線冠状面;Cobb角、矢状面;健康関連QOLに関与するSagittal Vertical Axis (SVA)、Pelvic Incidence (PI)、Lumber Lordosis (LL)、Pelvic Tilt (PT)、Thoracic Kyphosis (TK)、Sacral Slope (SS)、新規圧迫骨折等、MRI;椎間板変性の程度(Pfirrmann分類)、各椎間のModic分類、背筋面積(L4/5高位)等と多岐にわたるが、特に画像の読影が本研究において最も重要かつ労力を要する部分であり、現在慎重に施行中である。
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は、大規模一般地域住民コホートを用いて脊柱後弯症の縦断的追跡調査を行い、これまでに明らかになっていない、その新規発生率、自然経過、予後、危険因子を解明し、脊柱後弯症の新たな治療指針を策定することである。今回、立案した研究計画は1.第3次追跡調査の解析、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバック、の3つである。現在は、1.第3次追跡調査の解析中で、特に最も重要かつ労力を要する画像の読影を現在もなお継続中である。
2018年度の解析が終了後は、2013年度のデータとリンケージさせる予定である。データ抽出後は、予定通り、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバックへと進んでいく予定である。その後、学会活動により報告、論文作成を行う予定である。
新型コロナ感染拡大に伴い、出席予定をしていた学会および研究会に現地参加できない事態が続き、使用額が減じた。
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