研究課題
本研究の目的は、大規模一般地域住民コホートを用いて脊柱後弯症の縦断的追跡調査を行い、これまでに明らかになっていない、その新規発生率、自然経過、予後、危険因子を解明し、脊柱後弯症の新たな治療指針を策定することである。今回、立案した研究計画は1.第3次追跡調査の解析、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバック、の3つである。2021年度に実施した研究の成果としては、1.第3次追跡調査の解析を2019年度に引き続き行った。さらに2013年第2次検診時に得られた腰椎検診およびMRI検査結果と、すでに本体コホートの検診で得られているX線調査結果をレコードリンケージすることにより、脊柱後弯症に関連するデータを解析中である。2018年第3次検診でも同様の手法を用いた検診を実施し、そのデータの解析も進行中である。調査項目は、多岐にわたるが、特に画像の読影が本研究において最も重要かつ労力を要する部分であり、現在も慎重に施行中である。Modic分類の変化に関して、上位腰椎でMordic変化の新たな発生率が高く、下位腰椎でModic分類のtypeIからtypeIIおよびIIIへのトランスフォーメーションが起こることが明らかとなったたため、これを論文化した(A Prospective, 3-year Longitudinal Study of Modic Changes of the Lumbar Spine in a Population-based Cohort: The Wakayama Spine Study.Tamai H, ... Yamada H. Spine (Phila Pa 1976). 2022 Mar 15;47(6):490-497)。
3: やや遅れている
本研究の目的は、大規模一般地域住民コホートを用いて脊柱後弯症の縦断的追跡調査を行い、これまでに明らかになっていない、その新規発生率、自然経過、予後、危険因子を解明し、脊柱後弯症の新たな治療指針を策定することである。今回、立案した研究計画は1.第3次追跡調査の解析、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバック、の3つである。現在は、1.第3次追跡調査の解析中で、特に最も重要かつ労力を要する画像の読影を現在もなお継続中である。ベースとなるデータの一部を用いて横断研究を行い、論文化した。
2018年度の解析が終了後は、2013年度のデータとリンケージさせる予定である。データ抽出後は、予定通り、2.脊柱後弯症の疫学的実態の解明、3.脊柱後弯症危険因子の地域へのフィードバックへと進んでいく予定である。その後、学会活動により報告、論文作成を行う予定である。
新型コロナ感染拡大に伴い、出席予定をしていた学会および研究会に現地参加できない事態が続き、使用額が減じた。元の研究計画に沿ってデータの解析後に結果が出次第、学会発表および論文化へ進めていく。また、コロナ後のニューノーマルな生活に合わせて、働き方の変容も必要と考えられ、研究の遅れを取り戻すべく、自宅での作業の効率化を推進するための電子機器の購入を考えている。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
Spine
巻: 47 ページ: 490-497
10.1097/BRS.0000000000004301.
PLOS ONE
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10.1371/journal.pone.0263930.
Pain and Therapy
巻: 11 ページ: 57~71
10.1007/s40122-021-00337-x