研究課題
2023年度に実施した研究の成果としては、本年度に得られた成果としては、PI-LLミスマッチと椎間板周囲の磁気共鳴画像(MRI)変化との関連を検討し、まずベースの脊椎全体にわたる終板輝度変化と椎間板変性の有病率と分布を明らかにしたうえで、これら椎間板Modic変化と椎間板変性がPI-LLミスマッチと有意に関連していることを発見した。これにより、椎間板Modic変化のプロファイリングが、成人脊柱変形に伴う腰痛の標的治療の改善に役立つ可能性を示した。さらに、脊柱後弯症の一因ともなりうる腰椎変性すべり症の縦断的追跡調査を行い、一般住民における腰椎変性すべり症の累積発生率は20.3%(男性:18.1%、女性:21.3%)であり、性、年齢、地域との関連はないことを見いだした。今回の研究を通じて、当初の研究目的である、大規模一般地域住民コホートを用いた脊柱後弯症の縦断的追跡調査を行い、これまでに明らかになっていない、新規発生率、自然経過、予後は一定程度明らかにできた一方、危険因子の解明や脊柱後弯症の新たな治療指針を策定にまでは至らなかった。しかしながら、これまでの研究では類を見ない本研究の特徴である全脊椎MRIの調査を含めた、多くの大規模データを解析することで、これまで明らかになっていなかった椎間板変性と脊柱パラメータの関連や脊柱後弯症に関連する腰椎変性すべり症の累積発生率を明らかにすることができた。これらの新発見をもとに今後も研究を継続することで、必ず脊柱後弯症の危険因子および新たな治療指針が解明されると確信している。
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Eur Spine J
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