股・肩・膝関節の脆弱性骨折に伴う関節破壊のメカニズムに関して、臨床病理学的検討を行った。臨床像では、股・肩関節は、急速な関節裂隙狭小化を伴いながら骨頭と関節窩に破壊が生じていた。病理組織学的には、骨折像に加え、骨軟骨破壊産物を含む肉芽腫性病変を全例に認めた。膝関節では、MRI上bone marrow lesion (BML)が認められ、同部は造影MRIでは、造影されていた。BMLの病理組織像は、脆弱性骨折に伴って発生した骨髄内浮腫、うっ血像、新生血管などを反映していることが分かった。さらに、MRI上のバンド像に該当する部位には肥厚骨梁を認め、一部は骨折に対する仮骨形成など修復反応を呈していた。
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