研究課題
原発不明骨転移は明らかに予後不良であり,進行性にがん患者のQOLを低下させる.したがって,原発不明骨転移の病態解明とその治療体系の確立は急務である.本研究では,原発不明骨転移に対する個別化医療としてのプレシジョン・メディシンを目指したがんゲノム医療の基礎的研究を行う.特定の治療法がない原発不明がんの治療法の研究開発は大きく分けて1)遺伝子発現プロファイル/エピジェネティクス解析に基づく原発巣の推定,2)網羅的遺伝子解析により,腫瘍化の原因となり治療標的になるactionable遺伝子異常の検索することである.したがって,これらの手法により,原発巣の推定や原発不明骨転移の病態解明を現在行っている.(2019年度)2017年4月以降,当施設で原発不明骨転移と診断された症例の臨床情報および腫瘍マーカー,PETを含む画像所見を後方視的に解析した.(2020年度)2017年4月以降に原発不明骨転移に対して行われた生検材料を用いて,免疫組織学的検索を行った.組織特有の抗原物質を染色する免疫組織化学では,組織特異的・腫瘍特異的マーカ-が次々に開発されており,原発不明骨転移がんに関しては,多くの抗体を用いてタンパクの発現解析がなされている.現在,免疫組織化学を用いたタンパク質の解析結果と血液生化学における腫瘍マーカーとの相関解析を進めている.
3: やや遅れている
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響による遺伝子解析作業の中断および新規患者数の減少,原発不明骨転移に対する生検を含む手術検体蓄積の不足が主な原因として考えれる.
昨年度まで得られた検体と関連する臨床情報の中間解析を行い,研究の方向性の適否を検討するとともに中間発表を目指す.
新型コロナウイルス感染拡大により、研究業務の遅滞を生じたために次年度使用額が生じた。その分、次年度の遺伝子解析費が増加すると予想され、次年度使用額はこれに充当する予定である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (21件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)
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