研究課題
3D MRIソフトウェアを用いて変形性膝関節症患者および半月板損傷と診断された膝を解析した。また、高位脛骨骨切り術や半月板手術の対象となる膝に関しては関節鏡検査を行っており、関節鏡での軟骨評価と、3D MRIで解析可能な軟骨面積率との対比を行った。関節鏡では大腿骨・脛骨プラトーを内側、外側に分け、さらに9つの小領域に区分し、合計45か所の領域における所見を記録しており、3D MRIでも同様の区分で軟骨面積率を自動算出した。症状と最も相関すると考えられる中央領域に関して、関節鏡所見と軟骨面積率の関連性を見出すことができ、3D MRIの妥当性を示すことができた。また、半月板は軟骨を被覆することにより軟骨保護作用がある。つまり半月板が被覆していない領域では軟骨損傷が生じることになる。半月板被覆率と軟骨損傷の程度が相関することに関しても、軟骨面積率を利用して示すことができた。変形性膝関節症の軟骨変性の進行について、半月板の被覆が重要であることを示したことにより、今後の変形性膝関節症の新たな治療法開発につながるものと考えられる。また、超音波にて人工膝関節全置換術における滑膜を観察し、正常例と比較して肥厚、血管増生が認められること、半月板が逸脱していることを検証できた。滑膜炎および半月板逸脱が変形性膝関節症の重要な病態であることを、超音波で非侵襲的に診断できることは、今後の臨床においても有用な検査として発展できる可能性がある。さらに再生医療で用いられる滑膜を超音波で採取する手技を開発したほか、円板状外側半月板の後根を再建し、半月板の機能を温存する術式を開発するなど、新たな治療に結び付ける治療法開発も行うことができた。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Arthrosc Tech.
巻: 11 ページ: e61-e68
10.1016/j.eats.2021.09.003.
Arthrosc Tech
巻: 10 ページ: e1723-e1727
10.1016/j.eats.2021.03.020.