研究課題/領域番号 |
19K09647
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90635567)
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研究分担者 |
下田 真吾 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, ユニットリーダー (20415186)
寳珠山 稔 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30270482)
栗本 秀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70597856)
平田 仁 名古屋大学, 予防早期医療創成センター(医), 教授 (80173243)
大山 慎太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80768797)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脳機能 / 疼痛 |
研究実績の概要 |
複合性局所疼痛症候群(CRPS)の慢性疼痛を脳磁計で解析した。判定指標を使用し、21名のCRPSを有する患者を対象者とした。安静閉眼状態で60秒間の脳磁場記録を行った。脳活動計測は脳磁計を用い、サンプリング周波数5,000 Hz、記録周波数帯域1~1,000 Hzとした。 1)脳活動計測時に疼痛が強くなかった群(VASが30未満、14計測)と中等度以上の疼痛(VASが30以上、27計測)における電流密度分布の群間比較(t-test, false discovery rate, FDR) 2)疼痛関連脳領域における平均電流密度と疼痛指標の相関(Pearson’s correlation coefficient, FDR) 3)2)で有意な相関が得られた脳領域と他の疼痛関連領域とのneural connectivityとVASとの相関(Pearson’s correlation coefficient, FDR)を計算した。Neural connectivityにはorthogonalizationを行ったamplitude envelope correlation(AEC)を用いた。FDRによるq値が0.05以下を有意とした。 脳活動計測時におけるVASが30未満30以上の2群間の比較では、疼痛指標の低い群で電流密度が有意に高い領域が得られた。領域には、後頭葉から側頭葉下面におよぶ領域、楔前部周辺、右半球島皮質、左帯状回前部などが含まれた。疼痛関連脳領域における平均電流密度と疼痛指標の相関は、大脳皮質領域を疼痛関連領域として大脳半球7領域(左右14領域)を選び、各領域内の平均電流密度と疼痛指標の相関を計算した。皮質14領域のうち疼痛指標と有意な相関が認められたのは右側二次感覚野(SII)のみであった。右二次感覚野とのAECがVASと有意な相関を示したのは右楔前部のみであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で年度前半は患者登録ができず、非常に苦労したが、最近は患者登録が少しずつ再開できている。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の情勢に注意しながら、患者登録を引き続き継続していくとともに、今までのデータを解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の流行により予定していた学会出張などがオンラインなどになったため。COVID-19の情勢を見極めながら出張を予定し、患者登録や研究の必要機材、論文投稿などに使用していく。
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