研究実績の概要 |
本研究の目的は、特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)患者における血清中、また組織液(関節液)において疾患特異的なmiRNAを同定することにより、本症に対するmiRNAを診断マーカーとした新たな、より効果的な診断法を確立することである。これらを明らかにするため、本研究では以下の3課題を実施する。 1)ONFH患者由来血清、股関節における関節液中の疾患特異的miRNAの同定 2)ONFHにおける疾患関連因子とmiRNAの関連との検討 3)血清、組織液におけるエクソソーム中のmiRNAの解析、ならびに組織、細胞分布の同定 2019年度では、ステロイド性骨壊死症と関連の強いmiRNAの発現プロファイルを解析するため、1-1. ONFH患者由来の血清、股関節における関節液中のmiRNA発現の網羅的解析(マイクロアレー)、また1-2. アレーデータより着目したmiRNAの発現解析の為、ONFH患者、また非ONFH患者における血清、また関節液中におけるreal time PCR法を用いたmiRNAの定量化を行った。1-1.ではステロイド薬(プレドニン換算≧15mg/日)の内服歴があるステロイド関連ONFH患者、また変形性股関節症患者から得られた血清、また関節液からRNAを精製し、マイクロアレー法を用いたmiRNAの網羅的発現解析を行った。このうち発現が促進、また抑制されている数種類のmiRNA(miR-17, miR-31, miR-34a, miR-193a, miR-210, miR-218)の発現に注目し、ステロイド関連ONFH患者, アルコール関連ONFH患者, 狭義の特発性ONFH患者、また変形性股関節症患者のそれぞれ血清、関節液を用いて各miRNA のreal time PCR法を用いた定量化を行った。
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