関節リウマチ(RA)は慢性的に経過する関節炎や関節破壊のため、ADLやQOLが著しく障害される慢性炎症性疾患である。今日、炎症性サイトカインやシグナル分子であるJakを標的とした分子標的治療が発展しているが、転写因子を標的とした治療法は開発されていない。今回、転写因子であるStat3の阻害によりRAに対する治療効果の可能性を示した点並びにStat3阻害効果をin vivoおよびin vitroで発揮する低分子化合物を同定した点で学術的意義がある。また、既存の治療法では寛解を得られない患者も少なくなく、価格的に安価な低分子化合物で新たな治療法の選択肢を提案した点で社会的意義もあると考えている。
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