PAI-1は線溶系に重要なプラスミノーゲン活性化因子(PA)を阻害する因子で、骨粗鬆症など止血作用以外に種々の疾患の病態に関与することが知られている。我々は以前に、PAI-1が雌マウスでのみ糖尿病性骨粗鬆症の病態に関与し、雌由来骨芽細胞でのみ骨芽細胞の分化や機能を抑制することを示した。 そこで、網羅的遺伝子発現解析により雌骨芽細胞でPAI-1刺激によって発現が増加した遺伝子を抽出したところ、RanBP3Lが抽出された。RanBP3L遺伝子の機能解析によって骨芽細胞の機能や分化を抑制したため、RanBP3L遺伝子はPAI-1を介した雌における糖尿病性骨粗鬆症の病態に関与していることが示唆された。
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