研究課題
今回、動物性脂肪食による腸内細菌叢変化が肥満及び白色脂肪炎症を介して、前立腺への局所免疫担当細胞の誘導およびそれに伴う癌微小環境の変化を引き起こし、前立腺癌発症・進展に関与すると仮説を立て、動物モデル、細胞実験および臨床検体を用いて多角的に検討することを目的としている。これまでの検討ですでに2種類の免疫応答性マウスモデルにおいて、動物脂肪食群は魚油脂肪食群に比較し、PTENKOの前立腺癌発症を亢進させ、癌増殖に関連することを見出した。本年度はさらに研究を進展させ、前立腺内での免疫プロファイルが変化し、これに全身性サイトカインの変化が関連することを見出した。またそのサイトカインと腸内細菌叢変化の関連の可能性も考えられた。またこの変化に前立腺周囲脂肪が関連していることも見出したため分子生物学的検討を続けている。
2: おおむね順調に進展している
実績概要で報告のとおり、モデルは完成し、局所と全身の免疫反応のクロストーク、特定腸内細菌叢の影響の可能性が確認され、順調に進行していると考えている。
①全身性脂肪、前立腺局所脂肪内での免疫担当細胞浸潤の違いの評価②前立腺局所内での特定の免疫細胞のシングルセルRNA-seqによる標的分子の評価③抗生剤投与もしくはgerm free マウスモデルによる食事による肥満及び前立腺癌増悪の関連の検証
本年度予定した使用額を概ね計画通りであったがやや少ない金額で消耗品の購入などが可能であった。来年度も予定通り消耗品を中心に使用する予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
BMC Cancer
巻: 20 ページ: 302
10.1186/s12885-020-06844-y
