研究課題
前立腺癌発症前立腺特異PTENKO免疫応答性C57BL6マウスに、同カロリー、同割合脂質の、ラード食(LD)もしくは魚油食(FOD)を投与すると、LDマウスはFODマウスに比較し有意にマウス重量、脂肪重量が増加した。またLD群は有意に前立腺重量が増加した。またLD群の前立腺は一部癌化を伴い、FODマウスでは癌は認められなかった。Ki67はLDマウスで有意に上昇した。続いて採取した前立腺を用いてcDNAおよび蛋白の網羅的解析を施行したところcDNAマイクロアレイではimmune system processに関連する遺伝子群が有意に変動し、タンパク解析ではLPSおよびTGFbeta経路に関連する蛋白が大きく変動した。前立腺および周囲脂肪組織の免疫細胞をFACS解析で比較するとLD群で制御性T細胞が有意に上昇していた。さらにマウスの腸内細菌叢を比較するとLD群とFOD群で大きくプロファイルが変動しており、いくつかの細菌がLD群で有意に上昇していた。以上よりラード食は腸内細菌叢変化により全身性の免疫反応環境を変化させ、前立腺周囲免疫微小環境の変化を誘導し、前立腺癌発症もしくは進展に関与する可能性が示唆された。現在、肥満、前立腺浸潤免疫細胞、前立腺重量のに関して、前立腺全摘を施行した患者の前立腺組織のTissue microarrayを作成し、FOXP3, TGFB1, SMAD4の免疫染色スコアとBMI、前立腺重量、前立腺肥大上皮の割合を含む臨床因子との関連およびこれらと、マウスで同定されたLD群で上昇した細菌叢の関連を検討しているところである。
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Int J Mol Sci.
巻: 23 ページ: 2214
10.3390/ijms23042214