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2020 年度 実施状況報告書

排泄物に非接触で既設便器に後付できるウロフロメータ創製に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09667
研究機関富山大学

研究代表者

中島 一樹  富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (50207776)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードウロフロメータ / 非接触測定
研究実績の概要

排尿障害の検査である尿流測定は、診察室や検査室において一般の便器形状と異なるウロフロメータを用いて実施される。しかし、非日常的な雰囲気のために緊張してうまく排尿できないことが多く、通常よりも悪い結果となることが多い。また、尿が付着した容器は感染症の温床となるため容器を廃棄または消毒しなければならない。これらに対応するため、個室トイレに設置された一般の便器形状のウロフロメータが検査室や病棟で利用されてきている。しかし、大規模な設置工事が必要で、高額であることが問題である。研究代表者はこれら全ての問題を解決する既設便器に簡単に後付けでき、排泄物に非接触に測定できるウロフロメータの創製を目指している。本研究では、尿流の各測定項目を医療機器以上の測定精度となる誤差10%未満の機器を開発することを目的とした。本年度は特に得られたデータの信号処理により、測定誤差を減少させることに注力した。具体的には背景温度の変化によって排尿終了後に尿流曲線がドリフトする現象が認められる。この問題を解決し、より正確な尿流曲線を測定することを目的として、測定中の背景温度の変化による影響および測定ノイズを低減する新しい信号処理法を提案し、疑似排尿実験によりその効果を確認した。医療用尿流計を基準として、排尿終了後の誤差は30%程度、また排尿量に対しては10%程度の誤差を減少させることに成功した。今後、実排尿に対しても同様の効果があるかどうか検討する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はCOVID-19への対応のため研究に対するエフォートが大きく削減した。具体的には実排尿での実験を実施できない状況であったため、データ解析に関する研究に注力し、研究の大きな目的である測定誤差を減少させる方法を提案した。

今後の研究の推進方策

2021年度もこれまで同様にCOVID-19への対応のため研究に対するエフォートが大きく削減されることが予想される。シミュレーションやデータ解析など、実験を実施できない状況でも研究を進められるよう最善を尽くす予定である。

次年度使用額が生じた理由

基礎実験用に十分な物品費を計画していたが、既存の物品である程度の基礎実験を実施でき、新提案の解析法により測定誤差を減少させることが明らかになった。これらの研究成果を学会において発表予定であるが、ほとんどの学会がオンライン開催となり旅費が余剰した。COVID-19の感染状況が落ち着き次第、初年度からの繰り越し分の物品費と合わせて実証研究を行い、また、各学会での発表を積極的に行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 在宅医療におけるIoT2021

    • 著者名/発表者名
      中島一樹
    • 雑誌名

      BIO Clinica

      巻: 35 ページ: 638-641

  • [雑誌論文] Personal Identification Using a Ballistocardiogram During Urination Obtained from a Toilet Seat2020

    • 著者名/発表者名
      Arata Nakagawa, Juhyon Kim, Kazuki Nakajima
    • 雑誌名

      Advanced Biomedical Engineerin

      巻: 9 ページ: 233-240

    • DOI

      10.14326/abe.9.233

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 排尿日誌への手書き時刻記録と尿流計自動記録の比較―健常者・入院患者の排尿記録に関する研究―2020

    • 著者名/発表者名
      上村 匠, 金山 義男, 北 村 寛, 中島 一樹
    • 雑誌名

      生体医工学

      巻: 58 ページ: 243-247

    • DOI

      10.11239/jsmbe.58.243

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 超高齢社会における生活情報の遠隔モニタリングと解析2021

    • 著者名/発表者名
      中島一樹
    • 学会等名
      第1 1 回ねごろ医用実学研究会講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 生活情報の遠隔センシングと解析2021

    • 著者名/発表者名
      中島一樹
    • 学会等名
      令和2年度日本生体医工学会北陸支部大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 熱式尿流計の測定精度向上に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      上村匠, 池上駿介, 飯國高弘, 金山義男, 金主賢, 中島一樹
    • 学会等名
      計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門シンポジウム2020
  • [学会発表] 在宅医療と人工臓器の過去・現在・未来2020

    • 著者名/発表者名
      中島一樹
    • 学会等名
      第58回人工臓器学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 非接触熱式尿流計の測定精度に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      上村匠, 金山義男, 金主賢, 中島一樹
    • 学会等名
      生体医工学シンポジウム2020

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公開日: 2021-12-27  

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