研究実績の概要 |
まずアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株であるPC-3, 当教室で樹立したアンドロゲン非依存性LNCaP, アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株である22Rv1, 当教室で樹立したカバジタキセル耐性22Rv1などに対して、シスプラチン単独で細胞増殖抑制効果があるのかどうかをMTSアッセイを使用して検討したところ、ナノMレベルでは効果はなく、80%程度、増殖抑制を認めるには、1~10マイクロM程度の濃度が必要であった。そこで、スタチン+オラパリブの併用療法に、さらに、シスプラチンを追加することで、増殖抑制効果が相乗効果として現れるかを、同様にMTSアッセイにて検討したところ、スタチン+オラパリブで増殖抑制効果を元々認めることもあり、スタチン+オラパリブ投与後、どの段階でシスプラチンを添加するのがもっとも増殖抑制効果が出るのかなど、さまざまな条件設定にて現在検討を行っているところである。3剤での併用効果を認めた場合、その条件にて、引き続き、siRNAトランスフェクションによる、BRCA1、BRCA2、RAD51などのDNA修復に関わる遺伝子のノックダウンを行うことでの、オラパリブ+シスプラチンへの併用効果を、細胞増殖などにつき、検討を行うことが可能になると思われる。またマウスを使用したゼノグラフトモデルでの、スタチン+オラパリブ+シスプラチン併用の実験も、今年度中に行っていきたいと考えている。
|