研究課題/領域番号 |
19K09696
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
畦元 将隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70264736)
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研究分担者 |
河合 憲康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (20254279)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
惠谷 俊紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30600754)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40264733)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
堤内 要 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50329851)
内木 拓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (50551272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 磁性ナノ粒子 / 癌温熱治療 / カーボンナノホーン / 筋層浸潤膀胱癌 / 筋層非浸潤膀胱癌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は温度感受性に抗癌剤を放出する磁性ナノ粒子(抗がん剤内包マグネタイト結合ナノホーン粒子(Thermo-SWNH))と交流磁場照射による磁場誘導組織内加温法の併用療法を浸潤性膀胱がんに対する治療として確立するための基礎研究である。筋層浸潤膀胱癌(muscle invasive bladder cancer:MNIBC)に対する治療を試みる前段階として、筋層非浸潤性膀胱癌(non-muscle invasive bladder cancer:NMIBC)に対する治療効果から検証したほうがよいと考えた。NMIBCの動物モデルはBBN自由飲水ラットモデルが有名であるが作成に半年から10ヶ月時間がかかることと、BBN発癌物質であり、研究者にリスクを伴うため、これ以外のモデルで、かつ簡便に作成可能なマウスモデルの作成を試みた。C57BL/6Jマウス7週齢メスに経尿道的にカテーテルを挿入。粘膜バリアを破壊するためにトリプシンを膀注。次に膀胱癌細胞浮遊液を膀注し、3.6.8日後に膀胱を摘出するものである。マウスへの経尿道的カテーテル挿入も可能であった。結果は、注入後6日以降では100%膀胱癌は生着したが、8日目は筋層浸潤を示した。NMIBCモデルは6日目で完成することが示された。またこのNMIBCモデルを用いて、Thermo-SWNHの膀注と交流磁場照射による治療効果を検討した。サーモグラフィーで膀胱温度は42℃に到達していることを確認した。根治には至っていないが、磁性ナノ粒子が細胞内に取り込まれている1層が変性していることが示された。癌細胞内に取り込まれたThermo-SWNHが発する熱エネルギーで癌細胞を破壊する。そして、繰り返し治療することができる。特にNMIBC やCISの治療に有効であると考えらた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
温度感受性に抗癌剤を放出する磁性ナノ粒子と交流磁場照射による磁場誘導組織内加温法の併用療法を浸潤性膀胱癌に対する治療法として確立するための基礎研究である。治療効果やメカニズムを解明するべき動物モデルは確立したが、温度感受性に抗癌剤を放出する磁性ナノ粒子は共同研究者から提供されるものである。現在の新型コロナウイルス感染蔓延のため、磁性ナノ粒子のブラッシュアップが予定より遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
磁性ナノ粒子のブラッシュアップし、温度感受性に抗癌剤を放出するThermo-SWNHを確立する。それを用いてMIBCおよびNMIBCモデルを用いて、それぞれ膀胱癌に対する治療効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際・国内学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。次に最終年度として、よりよい結果を残したい。
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