研究課題
1)BBN誘発マウス膀胱癌とは発癌判定C57BL/6マウスを人工照明下、固形飼料にて飼育した。発癌の方法としてBBN(東京化成)を水道水にて0.05%濃度となるように溶解調整し、自由飲水下に経口投与した。当初、期待した発癌効果が得られなかったが、飲水ボトルを遮光することによって発癌効果を観察することができた。今後、観察期間をBBN投与開始後4,8,16及び20週後としそれぞれの時期に膀胱を摘出し、ホルマリン固定後パラフィン包埋し切片を作成、HE染色を行う予定である。⇒論文等で広く発表されている、BBNのマウスにおける膀胱癌の発癌効果を再現性をもって確認することができた。2)NAD+のマウス腹腔内投与に対するCD4陽性T細胞の免疫学的変化の確認のC57BL/6マウスにNAD+の腹腔内投与を行い、マウスの脾臓を摘出、脾臓内のCD4陽性T細胞のサイトカイン発現をFACSで評価した。NAD+の腹腔内投与がなされたマウスにおいて、FACSでCD4+IL10+T細胞及び、CD4+IFNγ+T細胞の発現がPBSを腹腔内に投与したコントロール群に比較して、優位に上昇していることを確認した。今後同様の実験を、対象T細胞をCD8陽性T細胞として進めていく予定である。⇒現教室ではNAD+を用いた実験を行うのは今回が初めてであった。これまでと異なった実験環境においても、申請者がこれまでに示しているNAD+のマウス腹腔内投与に対するCD4陽性T細胞の免疫学的変化を確認することができた。3)上記の2つの実験に加えて、表在性膀胱癌の再発予防として確立されているBCG膀胱内注入療法についてBBN誘発マウス膀胱癌に関して発癌における効果を確認すべく、BBN飲水、BCG膀胱内注入マウスモデルの作成、飼育を進めている。
2: おおむね順調に進展している
科研費による実験開始初年度であり、実験環境のセットアップには比較的時間を要した。しかしながら、現在まで行ったT細胞のvivo実験系に関しては申請者がこれまでに繰り返し行ってきたものでありそこで遅れをリカバーすることが可能であった。
vivo実験において、NAD+の腹腔内投与に対するCD8陽性T細胞の免疫学的変化において主にFACSを用いて検討していく。場合によっては自然免疫系の担当細胞に関しても、時間と費用が許す限り同時に検討したいと考えている。BCG膀胱内注入療法についてBBN誘発マウス膀胱癌に関して発癌における効果を確認すべく、BBN飲水、BCG膀胱内注入マウスモデルの作成、飼育を進めており、今後コントロール群、NAD+投与群との比較検討を行う予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Am J Transplant.
巻: - ページ: -
10.1111/ajt.15794.