研究課題/領域番号 |
19K09702
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
上原 博史 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20822555)
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研究分担者 |
東 治人 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40231914)
小村 和正 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10789853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | NAD+ / BBN / 膀胱癌 / マウス / BCG / T細胞 |
研究実績の概要 |
1)BBN誘発マウス膀胱癌モデルの発癌判定 初年度にC57BL/6マウスに対してBBN(東京化成)0.05%濃度を投与する事によって膀胱癌が発生することが確認できた。観察期間をBBN投与開始後4,8,16及び20週後としそれぞれの時期に膀胱を摘出し、ホルマリン固定後パラフィン包埋し切片を作成、HE染色を行った。諸家の報告のごとく、16週頃に異形成を、20週頃に浸潤性となることを確認できた。 しかしながら、BCGとの比較検討を行うにあたりCISの発症を見極めることは極めて重要であり、BNN投与実験を繰り返し行った。結果、バラツキはあるものの16週・異形成、18週・CIS、20週・浸潤性と一定の判断を下し実験をすすめることとした。 2)BCG膀胱内注入マウスモデルの作成 表在性膀胱癌の再発予防として確立されているBCG膀胱内注入療法について、NAD+腹腔内投与群と比較検討を行う際に、注入操作、BCGによる炎症の惹起が組織学、免疫学的にそのような影響を及ぼすかを検討することは不可欠である。まずはwild typeの未加療のC57BL/6マウスに膀胱内に生理食塩水をカテーテルで注入し膀胱壁の組織学的変化を確認した。その結果、ある程度の割合でカテーテルの物理的刺激による影響があると思われた。種々の条件を検討し、その影響を最小限とするカテーテルサイズ、挿入長を確認した。 現在、これまで研究代表者が行ったNAD+腹腔内投与に対する免疫学的変化の確認項目がBCGの膀胱内注入によっても変化がもたらされるか、それとも新たな評価項目を設けるべきかを繰り返し実験を行い検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨今のコロナ禍によって、一時的に実験の進捗が滞る事もあったが、総じて順調に実験は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1)NAD+のマウス腹腔内投与に対するCD4陽性T細胞の免疫学的変化の確認。初年度にC57BL/6マウスにNAD+の腹腔内投与を行い、マウスの脾臓を摘出、脾臓内のCD4陽性T細胞のサイトカイン発現をFACSで評価した項目に加え、BCGの膀胱内注入による免疫学的変化を評価する必要があると思われた追加項目をNAD+の腹腔内投与群で確認する。 2)BCG膀胱内注入マウスモデルの作成。BCGの膀胱内注入によっても変化がもたらされる評価項目の検討を引き続き行う。 3)BBN誘発マウス膀胱癌モデルに対する加療操作。BBN誘発マウス膀胱癌モデルに対して、NAD+の腹腔内投与、BCGの膀胱内注入を実際に行い、比較するに最適な投与タイミング、期間について検討する。
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