・BCGの膀胱内注入による膀胱癌の発育予防の確認:A群はBBN投与のみのコントロール群。B群はBCGを週1回、BBN投与終了1週間後より合計6回膀胱内注入。C群は生理食塩水をB群のBCG同様似投与。D群はBBN投与開始15週間後より同量のBCGを週1回、合計6回膀胱内注入。E群は生理食塩水をD群のBCG同様に投与した。F群はBBNを投与せず、D群と同時期に同量のBCGを週1回、合計6回膀胱内注入。実験開始から24週で膀胱を摘出した。BCGを予防的に投与したB・D群において膀胱癌の発生は生理食塩水を投与したC・E群と比較して抑制されていた。BCG膀胱内注入療法はマウスにおいては膀胱癌発生に対して予防的であった。 ・BCGの膀胱内投与のスケジュールに倣ってNAD+投与した。1群はBBN投与のみのコントロール群。2群はNAD+を週1回、BBN投与終了1週間後より合計6回腹腔内投与。3群は生理食塩水をとB群のNAD+同様似投与。D群はBBN投与開始15週間後より同量のNAD+を週1回、合計6回腹腔内投与。E群は生理食塩水をD群のNAD+同様に投与した。F群はBBNを投与せず、D群と同時期に同量のNAD+を週1回、合計6回膀腹腔内投与。実験開始から24週で膀胱を摘出した。病理組織学的には、NAD+を投与したB・D群において膀胱癌の発生は生理食塩水を投与したC・E群と比較して抑制されていた。しかしながらその効果はBCGと比較して限定的であった。 ・T細胞除去マウスへ対するNAD+の腹腔内投与が膀胱癌の発育に及ぼす影響の確認:モノクローナル抗体投与によりT細胞各サブセットを除去した抗CD4抗体投与群、 抗CD8抗体投与群、CD4+抗CD8抗体投与群、に分け先の実験のスケジュールに沿って観察を行った。しかしながら全ての群において、先の実験で認めた癌の発育抑制効果は得られなかった。
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